400年の歴史を持つ勝浦の朝市が見たいが為に、昨日は無理して距離を稼いだのに訪れてみて拍子抜けした。
それは、路地の一画に出店が並んでいるだけの小規模なもので、売られているの主役は野菜。魚も売っているの店もあることにはあるが、そこに刺身はなかった。
おまけに、「朝市発祥の地」という寺の写真を撮っている時にデジカメがおかしくなり、昨日まで撮った3日分の写真のメモリーが消えてしまった。
朝市はてっきり漁港で行われているものと考えていた。そこでは活気のいい声が飛び交い、マグロの解体ショーなども見られ、獲れたての魚を捌いてもらえたりする。
その刺身を買ってテントに帰り、炊いた米の上に乗せて海鮮丼にするということまで計算していた私には、路上の野菜販売にはがっかりさせられた。
魚を焼いて売っていた店のおばちゃんにも聞いたが、勝浦の漁港ではそういうことはやってないとの事だった。この朝市も昔は規模が大きかったが、今では店を出す人も少なくなっているらしい。
海鮮丼が食えないので、いつものようにレトルト丼を平らげて出発。今日は九十九里浜のビーチを目指し、国道128号線を走りながらのんびりと向かう。
海岸線はフラットな道が多く風も吹いていて気持ちいいが、向かい風でおまけに日差しが強い。汗はそれ程かかないのに体力を消耗する。
大原の先の海岸からは、5km続く太平洋岸自転車道があったのでそこを走った。気持ちいいサイクリングが出来るだろうと思ったが、これがとんでもなかった。
自転車道には砂が堆積してタイヤを取られまくり、とても走れたもんじゃない。1km格闘して嫌になり、すぐに国道に引き返した。
その先の大東崎灯台を越えた先からは国道を外れ、県道30号線の九十九里ビーチラインに入った。この辺りからリゾートホテルや別荘、サーフショップなどがちらほら目に付くようになった。
ビーチラインにも平行する自転車道があった。こちらは大原のものとは比べ物にならない距離で、全長30kmはある自転車道。
だが、おそらくそこも砂が堆積しているだろうと、わざわざ走りには行かなかった。自転車は景色がいいとこを走るのではなく、気持ちよく快適に走れるとこが一番だ。
九十九里もサーファーを除けば極めてローカルな土地に思えた。ビーチロードなどとシャレた名前が付いているが、海側にならぶサーフショップなどの向かいには水産工場が並び、道の脇にある小さなドブ川からは異臭が漂っていた。
それでも長い直線が続くビーチラインは高層の建物がないので、走っているだけで開放的な気分には浸れた。
このまま北上して銚子まで行き、そこから利根川沿いを走って牛久大仏を目指そうとしていたが、地図を見ると蓮沼というところから成田空港へ繋がる「芝山はにわ道」があるのに気が付いた。
この道には至るところに埴輪があるらしい。空港の先には成田山新勝寺もあり、そのまま牛久へも繋がるので都合がいい。
地図を見るとその先に蓮沼海浜公園があったので、今夜の寝床にぴったり。そのルートで大仏を目指そうと、九十九里ビーチタワーから蓮沼を目指した。
モニュメントや展望台がある蓮沼海浜公園は、敷地がかなり広かった。夏の行楽シーズンは賑やかになるのだろうが、今は夕方でも人気がなく静かで良かった。
だが、成田空港が近くにあるので、頭上の空には着陸態勢の飛行機がバンバン飛んでいてうるさい。それさえ除けば、この公園はかなり満足できるキャンプ地だった。