5日目 秋田(後編) 2018年5月2日


 玉川温泉でリフレッシュした後、国道341号線を南下して田沢湖へ。日本一水深の深い田沢湖は、クニマスの故郷しても有名。ここにしか生息してないクニマスは、戦時中に水力発電のため酸性水を導入したことで、絶滅したとされていた。

 だが数年前に「ギョギョギョ」で有名なさかなクンが、遠く離れた山梨県の西湖で発見したのは記憶に新しい話。田沢湖でクニマスが絶滅する前に、放流用に卵10万粒が、西湖に運ばれていたのが理由のようだ。

 水深は日本一なのだろうが、湖の見た目はごく普通。ここに来る前に通過した宝仙湖や秋扇湖の方が、湖面がエメラルドグリーンで見応えがあった。
 田沢湖の南側の湖畔には、「たつこ像」という金色のブロンズ像が立っていた。このたつことは一体何者なのか。調べたところ、こんな話があった。

 昔、この地に住んでいた美しい娘の辰子。飲むと永遠の若さと美しさが手に入るという、神様以外は手出し厳禁の水を飲んでしまった。
 罰として竜の姿に替わってしまった辰子は、もう人間には戻れない。何年も泣き続けた辰子の涙が、田沢湖を作ったとも言われている。

 田沢湖から国道105号線を下り、みちのく小京都の角館武家屋敷家へ。ここは江戸時代に作られた城下町で、今も伝統的な町並みが残っている。桜並木としても有名なようだが、青森の弘前とは違い、桜はもう咲いてなかった。

 ここから北西に進んで秋田市内に行き、男鹿半島を観光しようと考えていたがルートを変更。角舘から県道10号線を進んで南西へ下り、由利本荘市折渡の千体地蔵へ。
 山の斜面に小さな地蔵がずらりと並ぶ風景はなかなか。歴史があるのかと思ったが千体地蔵が置かれたのは何と平成3年で、しかも作られたのは中国福建省とのこと。

 近くにある長谷寺の赤田の大仏にも足を運んだ。日本三大長谷観音の一つにも数えられる金箔の観音は高さ9m。田舎の寺にこんな観音が潜んでいるとは意外だ。
 観音の顔を見ながら足元をウロウロしてたのだが、私の動き追うように目が動いて見えた。錯覚なのだろうが、悪い事はするなと悟られたような気がした。

 風呂に入りたかったがもう移動するのは面倒なので、近くにあった道の駅おおうちを宿泊地に。ここに都合よく300円というリーズナブルな料金で入れる温泉があった。
 シャンプー、ボディソープも揃ってサウナもある。玉川温泉で出せなかった汗をたっぷり掻き、車に戻ってビールで至福のひと時を得ながら疲れを癒した。


[この日の写真]




Copyright (C) 2019 諸行無常 All Rights Reserved