4日目 青森(後編) 2018年5月1日


 地獄温泉を逃げ出し、国道279号線で北上のラストラン。この旅を出発した神奈川県から、移動距離にして約1200km。遂に本州最北端の大間崎へ到着した。
 大間といえばマグロが有名。ここでマグロ丼を食べようとしたが、どこも料金は2500〜3000円。東京の築地でその相場なのは分かるが、なぜすぐ横の海で捕れる本場が高いのか。

 そんな事を考えていたら急に食べる気が失せた。もしかしてスーパーに安く売ってるんじゃないか。そう考え行ってみたが、売られていたのはインドネシア産や南米産とかの輸入もの。
 なぜだとネット調べてみると、水揚げされた大間マグロの大半はすぐに築地に送られ、地元の市場にはあまり流通しないという。

 これを知ってさらに腹が立ち、「俺はそもそもマグロより、サーモンが好きなんだ!」と自棄になり、もうこれで充分だと、別のスーパーで売っていた三陸産生バチマグロと米を買って即席丼を食べた。
 店で素直に食べればよかったが、旅も4日目で特に事件もなく、何かアンチ的な事をしたかった。これはそういう心理がさせた行動かもしれない。

 今までは北上を続けてきたが、最北端の大間で折り返し。これからはひたすら南下だと、まずは国道338号線で下北半島の西側を走り仏ヶ浦へ。
 ここは約2000万年前の海底火山活動によって形作られた巨岩・奇岩群で、岩には名前や言い伝えもある。遊覧船も出ていたが、海岸まで下りて行けたので歩いて間近で見た。これがなかなか見応えがあった。

 この先、下北半島で特に見る所はないので、県道253号線と46号線で山間部を抜ける。川内で再び海沿いの国道338号線に出てむつ市へ戻った。
 下北半島の下には夏泊半島もあったが、ここも特に用はない。この後に向かうのは青森市内で、今から急げば目的地の閉館時間に間に合う。

 そこで一気に移動してしまおうと、むつ市から国道279号線のバイパスを走り、野辺地で国道4号線へ。そこから有料のみちのく道路と青森自動車道を使って三内丸山遺跡へ。
 縄文時代の大規模集落で、古くから土器などが多く見つかっている三内丸山遺跡。再現された茅葺の竪穴式住居は他所でも見た事あるが、土葺きのタイプは初めてだった。

 一番目を引くのは、三層に分かれた六本柱のシンボル的な建物。高さは約15mあるこの建物は住居ではなく、祭壇や見張り台のような施設だった説が有力。

 閉館までの30分で遺跡を堪能した後、青森市内へ移動して港近くの物産館で土産を物色。青森港からは函館行きのフェリーが出ていた。
 北海道は小学生の頃、紋別という北部の町だけ行った事がある。いずれ北海道もゆっくり一周してみたい。

 青森市内からは津軽半島へ上がり、五所川原市にある津軽三味線会館へ行く予定だった。しかし、今日はもう終わってるし、明日も始まるのは9時から。
 津軽三味線を生で聞いてみたかったが諦め、国道7号線を少し下り、道の駅なみおかで宿泊。三味線の代わりに岩手で買ったアンビエントのCDを聞きながら、まったりと眠りについた。


[この日の写真]




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