室戸岬へ (徳島〜高知) 2002年


 夜中に雨が降っていたが朝には止み、今日も快晴。無料バスの宿で一緒になったおじさんと女の子に別れを告げ、次の目的地へと出発した。
 これから向かう24番最御崎寺は高知県にあり、おまけにそこは南の先端の室戸岬。ここから約80kmも離れているので、朝から長距離の移動だ。

 とにかく太平洋沿いの国道55号線をひたすら南下。中古で買ったママチャリは、今のところパンクも故障もない。ギアは3段しかないが、「速」にすればそれでもスピードは出せる。海沿いの景色を見ながらのサイクリングは快適で、疲れを覚えることもなかった。

 5時間程走り室戸岬にある最御崎寺に到着。寺の近くには室戸青年大師像という、真っ白い弘法大師の巨像があった。ここは弘法大師が青年時代に修行の地として選び、多くの悟りを開いた場所でもあるらしい。

 岬の高台には大きなレンズがある白い灯台と風車があった。この灯台は日本で最も明るいものだという。
 それと、黒潮の流れる沖合いは台風が頻繁に通る場所のようで、過去には最大瞬間風速「84.5m/s以上」を記録したこともあるようだ。

 室戸岬からさらに走り、25番津照寺、26番金剛頂寺と巡り、夕方には27番神峰寺の手前にある奈半利町までたどり着いた。土佐くろしお鉄道の奈半利駅の近くに公園があったので、今夜はここにテントを張ることにした。

 徳島県日和佐の無料バスの宿から高知県奈半利町まで、今日は100km近く走ったと思う。アップダウンが無く平坦な道ならば、1日でこのくらいは移動できるのかと、我ながら感心した。

 自転車の旅も、やってみるとけっこう面白い。ペダルを漕いで自力で進むのは疲れるが、1日の終わりには達成感があり充実した気分にもなる。チャリ遍路は修行というより、遊行のようものだ。




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