ようやく味わう (徳島) 2002年


 夜中に雨が降っていたが朝には上がり今日も晴れ。朝食を済また後、ドイツ村公園から11番藤井寺まで約1時間のサイクリング。
 寺の駐車場で年配の夫婦と出会い、ジュースを1本ご馳走になった。彼らは高知県出身で自分たちの車で来ており、八十八ヶ所を何回かに分けて巡っていると話していた。

 藤井寺から焼山寺登山口までは約3時間のサイクリング。県道20号線沿いに流れる阿波川は透明度が凄く、コバルトブルーの色をしていた。
 12番焼山寺は標高880mに位置する、八十八ヵ所の中でも難所の一つ。登山口に自転車を置き、山腹の寺まで往復2時間の登山だ。

 寺の横にはうどん屋があったので、そこで200円のうどんを食べた。前回の醤油うどんとは違い、これにはちゃんと汁が入っており、味もシンプルで美味く、ようやく本場のうどんが味わえた。
 下山した後、自転車を置いた登山口の店で休んでいると、店のおばちゃんがご接待にとアイスをくれた。こういうちょっとしたご接待が本当によくある。

 登山でかいた汗を流したかったので13番の大日寺に向かう途中、コバルトブルーの色をした阿波川でひと泳ぎした。稚魚が泳いでいるのが見える程の透明度をした川の周辺には誰もおらず、静かな自然の景色が広がっていた。その景色に溶け込みたくなり、私も自然な姿になった。

 約2時間のサイクリング後、13番大日寺に到着。既に夕方5時頃になっていたが、17番の井戸寺までの4つの寺は近くに分布していたのでそのまま一気に走り、今日は計7つの寺を巡れた。
 今夜の寝床は17番井戸寺の近くに流れる鮎喰川の土手。野球やサッカーが出来るグランドになっている土手は芝生なので、寝心地もよさそうだ。

 テントを張った後、食事がてらに蔵元駅の周辺を散策しに行った。商店街で銭湯とコインランドリーを見つけたのでテントに戻って荷物を取り、風呂と洗濯を済ませた。
 やはり風呂に浸かると気分も変わり疲れも癒せる。連日自転車に乗っているので尻がひどく痛い。このまま悪化しないといいが。

 昨日本屋で購入したツーリングマップのおかげで、1日の旅の計画が立てやすくなった。移動する距離も大体分かるし、どこに公園や川、キャンプ場があるかが事前に分かるので、寝場所の確保が簡単になった。心強い味方ができたので、この先の旅は順調に進みそうだ。




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