五百羅漢像 (愛媛〜香川) 2002年


 野宿したので蚊に何度も睡眠を妨げられ、起きた時は眠った気がしなかった。疲れもあまり取れぬまま、すし屋の駐車場から第65番霊場三角寺へ向かった。

 この寺も少し小高い丘の上にあるようだった。上り坂の負担を少しでも減らそうと、重い荷物は途中で森の中に置いていった。昨日の横峰寺へ上った経験もあったのでさほど苦にはならず、往復1時間程で戻ってこれた。

 自転車旅も3日目に入り疲れもかなり溜まってきていたので、次の66番雲辺寺までの足取りは重かった。雲辺寺は標高927mの山頂にあり、四国霊場の中でも最高峰に位置する場所。かつては難所のひとつであったらしいが、現在はロープウェイが運行しているので、寺までは簡単に行くことが出来る。

 しかし、そのロープウェイ乗り場までは、もちろん坂道を上がっていかなければならない。今後に訪れる寺のほとんどが山の上にあるようだったらこの先も大変だなと、いささか心配になった。

 ロープウェイ乗り場まではゆるやかな坂道が続く。ここでも極力荷物を減らそうと道沿いにあったコンビに立ち寄り、そこで荷物を預かってもらった。店の人は親切にロープウェイ乗り場までの地図まで書いてくれた。

 全長約2600mの雲辺寺ロープウェイは、日本最大級の規模を誇るロープウェイだという。何が最大なのかはよく分からないが、最大っぽい2000円の往復料金を払い、10分程で難なく927mの山頂に到着した。

 山頂からの景色はもちろんだが、雲辺寺も自体も見応えがあった。境内は杉の巨木に囲まれており、五百羅漢像という坊さんの石造が寺のあちこちに並んでいた。山頂はとても涼しく、あまりの気持ちよさに1時間程昼寝をしていった。

 雲辺寺を下山してから67番大興寺に向かい、その後68番神恵院、69番観音寺と巡った。この二つは同じ場所にあった。近くには海に面した琴引公園があったので、今夜はここにテントを張ることにした。

 公園の前にある海は遠浅で、泳いでる者は1人もいない。汗を流したかったので、多少深い所まで入って日体を洗った。この琴弾公園はすごくいい場所だった。連日の移動で疲れも溜まっていたので、明日はこの公園でのんびりして1日休憩しようと考えた。




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