京都・滋賀・岐阜編1 2018年1月2日


 宮津湾沿いのコンビニを出発し、この日は成相山の中腹に位置する28番成相寺からスタート。山道を上がるにつれ雪が増え、寺の付近は結構積もっていたが、チェーンを巻かずになんとか到着。
 しかし、さらに上がった所にあるパノラマ展望所は、積雪の為に車でも徒歩でも通行止め。すぐ横の展望台なら行けると言われたので、そこから日本三景の一つ天橋立を拝んだ。

 宮津市へ下って若狭湾沿いに走り、国道27号線で舞鶴市へ向かう。途中には護衛艦などが停泊する舞鶴海上自衛隊があり、その先には旧海軍が保管倉庫として利用していた、赤レンガの建物が並んでいた。

 そこから少し走り29番松尾寺へ。寺には大抵山門があり、左右には仏敵の侵入を防ぐ守護神がいる。その仁王像がこの寺はなんと写真だった。
 本堂にいた寺の人に聞いたところ、仁王像は修復したばかりで宝物殿で保管。後に山門も改修するので、それが済んだ後に仁王像も出すという。像の修復代は2700万だったとも話していた。

 33所を巡っている間、本堂で散華帳が飾られてるのを何度か目にした。これには杓文字のような形の紙が33枚貼ってあり、それぞれに違う漢字1文字が記されている。
 5色ある紙はまばらに貼ってあるので、アートとして壁に飾るのにぴったり。ずっと欲しいなと思っていた散華帳がこの松尾寺に売っていたので即ゲットした。

 次の30番宝厳寺があるのは琵琶湖に浮かぶ竹生島。事前に調べた情報だと、正月三が日のフェリー運航は、琵琶湖の東の長浜港からだけ。それも1日3便しかなく、これから乗れるのは14時の最終便。
 今から長浜へ向かうと2時間は待つので勿体ない、そこで順番を変更し、琵琶湖南部にある31番長命寺と32番観音正寺を先に巡ることにした。

 国道27号線で熊川宿まで進み、そこから「鯖街道」と呼ばれる国道367号線で南下。昼時だったので鯖寿司を食べたかったが、道中の店はどこも正月休みでお預け。
 途中で国道477号線で東に逸れると、琵琶湖大橋の手前で渋滞発生。31番長命寺に到着したときは既に13時。ここで、これからの行動の決断を迫られると同時に、ある事実が発覚した。

 これからの問題はこのまま32番の寺に行くと、30番行きのフェリーに間に合わないこと。30番を先に行って32番に戻ると、今日中に寺巡りを終えられない。1日予定を増やしてもいいが、明日は高速がUターンラッシュで大渋滞になる可能性がある。だから何としても今日中に帰りたい。

 そもそも私は似非遍路なので、御朱印やご利益などは無関係。頑なに全ての寺を巡らなくても何ら問題ない。なので32番の寺はパスして進み、本日中に寺巡りを終える決断をした。
 31番長命寺には琵琶湖汽船のポスターが貼ってあった。それで知ったのは、フェリーは長浜港からだけでなく、西側の今津港からあったこと。その12時の便にはギリギリ間に合ったので、知っていれば32番も巡る事ができた。

 さらに31番の納経所で知ったのは、29番松尾寺で購入した散華帳は台紙だけで、肝心の漢字の札が何も貼ってないこと。納経所のおやじが杓文字型の紙を手にしていたので話を聞いたところ、300円の御朱印代を払った者だけがその紙をそれぞれの寺で貰えるというのだ。

 旅の思い出として散華帳を買ったが、何も貼ってない台紙ではまったく意味がない。それよりも今は急がなければ、竹生島行きのフェリーに間に合わない。
 散華帳の事はひとまず忘れ、すぐさま31番を出発して琵琶湖湖畔の道をF1レーサーばりに疾走。途中でもたもた走る車を追い越し、ここぞという時は信号も無視し、長浜港に着いたのはフェリー出航の10分前だった。(続く)

[この日の写真]




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