京都・滋賀・岐阜編2 2018年1月2日


 30分の船旅で到着した竹生島は、寺と神社があるだけの無人島。古来から神の宿る島として人々の信仰を集めており、最近ではパワースポットとしても注目されている。  豊臣秀吉が関係してたり重要文化財があったりと、歴史を感じるポイントも多かったが、それよりも私の頭の中の一番の関心事は、何も貼ってない散華帳だ。

 テンションも上がらないので島内観光も早々に済ませ、帰りのフェリーを待合室で待っていた。暇潰しに部屋の壁に貼ってあるポスターを見ると、それは何と散華帳に関するポスターだった。
 散華帳はJR西日本が企画しているキャンペーン物で、ポスターの下部には1番から33番までの漢字の札の写真が並んでいた。私はこれを見てすぐさまに閃いた。

 この写真を一つずつアップで撮っておけば、家に帰ってからパソコンでプリントアウト出来る。それをハサミで切って散華帳に張り付ければ、望んでいたアートとして部屋の壁に飾れる。我ながら素晴らしいアイデア。
 だが問題だったのは、そのポスター下のベンチにカップルが座っていたこと。その状態では写真が撮れず、どいてくれとも言えない。フェリーの時間がくれば立ち上がるかと思ったが、フェリーは長浜行きと今津行があった。

 私は自分が乗る長浜行きの出発ギリギリまで待ったが、カップルはその後の今津行に乗る気配。結局ずっと座りっぱなしで、肝心の写真を撮るチャンスを失った。
 もはや散華帳はただの紙屑になったかと諦めて長浜港に戻ると、なんとチケット売り場に同じポスターを発見。これまで31ヵ所の観音に手を合わせてきた私は、どうやら見捨てられてなかったようだ。

 散華帳問題も解決して雨も止み、寺巡りも残すはあと一つ。琵琶湖から岐阜県へと1時間走り、 谷汲山にある33番華厳寺に到着した頃は既に暗がり。
 1キロある本堂までの長い参道には土産屋や茶屋が並び、「満願御膳」「満願そば」など旗や、寺のマスコットキャラクター「いのりちゃん」が目に付いた。

 いくつもの鏡餅が奉られていた十一面観世音に手を合わせ、5日間の西国三十三所ドライブは無事に終了。結願後には報告と御礼のため、長野県の善光寺へ参るのが通例。
 それはいつか秩父三十四箇所巡りをして、坂東、西国と合わせた100観音巡りを済ませた時に取っておこうと思ってる。それに今回は32番観音正寺を飛ばしたので、本当のところは結願してない。まあその事は慈悲深い観音様に大目に見てもらおう。

[この日の写真]


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