仏教三大遺跡 (バガン) 2003年7月16日〜19日


 バガンはカンボジアのアンコール・ワット、インドネシアのボロブドゥールと並ぶ、世界三大仏教遺跡の一つ。イラワジ川中流域の東岸の平野部一帯に、大小さまざまな仏教遺跡が林立しており、点在するパゴダや寺院のほとんどは11世紀から13世紀に建てられたもので、その数は3000を超えるといわれている。

 マンダレーからバガンまでは大型バスで行けるのかと思っていたが、待っていたのは小型バス。尻が痛くなる椅子と揺れでの8時間は辛かった。幸い隣に座っていたのが日本人の女だったので、会話する事で気が紛らわせた。

 仏教遺跡が点在するオールド・バガンには、遺跡の他は一部の高級ホテルや政府関係の施設くらいしかない。
 バガンの交通の中心地となるのはニャンウーの町。ここには空港や長距離バスのターミナル、フェリーの船着場などが集まり、安宿や市場、郵便局といった施設もほとんどニャンウーにあるので、滞在するにはニャンウーの方が便利だった。

 最初に向かった宿はきれいだったが、3ドルの料金が6FECと言われてバカらしくなり、近くにあった「ラッキーセブン GH」に泊まる事にした。バスなしのダブルルームで、料金は3ドル。もちろんFEC払いでも同じ。安宿のレベルはインドやバングラデシュなどと同じだったが、何も気になることはなかった。

 オールド・バガンへはニャンウーでレンタルした自転車で向かった。5km程走った辺りから一本道の左右の荒野に、小さいパゴダが点在し始めた。遠くには台形をしたピラミッド型スタイルの大きな寺院なども見える。

 この辺りは遺跡保存エリアであり、一部のホテルとレストラン以外は遺跡のみなので、どこを見渡してもパゴダだらけ。作りすぎではないかと思う程の数だった。宗教という熱は、ここまでのものを作らせるのかと驚愕した。
 800年前と変わらないだろう景色を見て周っていると、その時代にいるかのような気分にも浸れる。

 有名な寺には土産物屋も多く、日本語で話し掛けてくる物売りも多かった。オールド・バガンから少し離れたミンナトゥ村の辺りは観光客が一人もいなく、土産屋などもまったくない。小さなパゴダで昼寝が出来るくらい、のんびりしていて静かだった。この辺りの方が、本来のこの土地らしさを感じる事が出来た。

 バスで一緒になった日本人の女とニャンウーで食事をした時に、ミャンマー出国の際には10ドルの出国税がかかると知った。
 私は10日後にヤンゴンから出国するが、現在の所持金は少なくドルの持ち合わせもない。持っているのは最初に両替したFECとチャットだけ。そこから10FECを引いたら、これから10日間の生活費は完全に足りなかった。

 この打開策はヤンゴンに早めに戻り、フライトを変更するしかない。彼女に知らされなければ呑気にビールを飲みすぎて、金がなくなっていただろう。
 ヤンゴンに戻る前にニャンウーにあるシュエジーゴン・パゴダに足を運んだ。そこで、ヤンゴンでのフライトの変更が予定通りにいき、何とか金が足りますようにと、祈りを上げてからバガンを去った。




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