原因不明の病気 (マンダレー) 2003年7月9日〜16日


 ニャウンシュエからバスでミャンマー第二の都市マンダレーへ向かった。出発は夜の7時でマンダレー到着は翌朝。
 ニャウンシュエからの山道は悪路で、バスは激しく揺れ続けた。おまけに、無神経なバスの運転手たちは、夜中の1時だというのにカーステで音楽を鳴らす始末。

 ほとんど眠れず明け方にマンダレーに到着し、ピックアップに乗り換えて町の中心へ向かう。目指す「ナイロン・ホテル」は王宮の近くだった。
 30分程走った辺りで大きなパゴダが見えたので、これが王宮だろうと推測して降りたが違う建物。ホテルはそこからまだ3kmも離れていた。

 寝不足と疲れのせいかフラフラで、頭もガンガンに痛い。ホテルの部屋で横になるとすぐ眠ってしまい、起きると夕方になっていた。ひどい頭痛が消えてないので熱を測ってみると40度もあった。

 その翌朝も頭痛と体のだるさは少しも治らない。熱を測れば38度。近くの薬局で薬を買い、それを飲んで昼間でまた一眠りした。
 眠って汗をかいたので熱は下がり頭痛はなくなったが、依然として体のだるさは残り、動く気がしない。食欲は少しあるが、何を食べてもちっとも美味くない。

 夜中に目を覚ますと針で刺されたようなチクチクした痛みが全身に起こり、痛みのあまりに朝まで眠る事が出来くなった。頭痛が消えたと思ったら、今度は全身の痛み。おまけに熱も37.5度と、またぶり返していた。

 朝になり薬を飲むために宿の近くで飯を食べたが、ほとんど残した。体の痛みが消えたのでようやく昼まで眠れたが、その後も体はだるく一向に良くならない。
 果物を買いたかったが見つからず、薬局でオレンジジュースの粉末を買った。宿に戻ると次にやって来たのは下痢。次第に回数が増えて最悪の状態になっていった。

 次の日も、薬を飲んでも寝ても熱は下がらない。チクチクする痛みと下痢は収まったが、体のだるさは取れない。泊まっていた部屋はダブルだったが窓はなく、換気扇も壊れて動かなかった。
 空気の流れもなく気持ち悪かったので、シングルで窓がある部屋に移動した。こちらは風も通るし部屋も明るい。少しは気分的に良くなりそうだった。

 翌日も相変わらず熱は38度。もう自力では治せないと思い、病院へ行って診察を受けた。症状を話しても原因は分からなかったが、注射を打たれて薬を貰った。
 注射は脈にされるのかと思っていたが、腰骨の下辺りに打たれる筋肉注射だった。これがとても痛く、その後は歩く度にズキズキと痛んだ。診察料は薬代を含めても5000チャットと高くなかった。

 宿に戻り薬を飲んでしばらく眠ると熱が36・5度に下がり、重かった体と頭も大分軽くなってきた。その後も熱は上がらず、ようやく回復の兆しが見え、心にもゆとりと安心が生まれてきた。
 マンダレーに着いてから原因不明の病気と5日間格闘していたので、宿の周辺以外はどこにも行ってなかった。これはインドで経験した1週間の下痢よりも、激しい格闘だった。




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