レバノン(16国目) 2018年11月24日


 トルコからの理想のルートは、カイセリから南下してアンタキヤへ行き、国境を越えてシリアへのアレッポへ。その後、首都のダマスカスへ向かい、そこからレバノンの首都ベイルートを往復するというものだった。

 だが、現在シリアが内戦中のため、密入国でもしない限り入国は不可能。そこで別のルートを探したところ、トルコのメルスィンからレバノンのトリポリを結ぶフェリーがある事を発見。
 従来トルコとレバノンはシリア経由で移動する必要があったが、レバノン北部とシリア国内のルートが危険になった為、この海路が開かれたようだ。

 メルスィンといってもフェリーが出るのは、バスで2時間走ったシリフケにあるタシュジュ港。そこからレバノンのトリプシまでは13時間の船旅。料金は200ドルだがこの出費は止む得ない。
 ちなみに、シリフケからはキプロス島にも渡れるが、キプロスはギリシャみたいな国。後に本場のギリシャに行けばいいのでそっちは止めた。

 レバノンは共和国で、かつてはフランス領だったがその後に独立。国民の6割がイスラム教で4割がキリスト教。大きく分けるとその2つだが、実際は18の宗教・宗派があり、多民族・多宗教国家を成している。

 通過はレバノン・ポンドで、物価は年々上昇し日本とあまり変わらないようだ。治安は比較的良いが、隣国のシリアとイスラエルとは仲が悪いので、国境付近は治安が不安定。特にアルサールはシリアからの難民が多く、シリアから発射されたミサイルが着弾することもあるという。

 レバノン第二の都市トリポリでは、モスクやスーク(市場)を観光。ここから首都のベイルートまではバスで1時間。中東のパリと呼ばれるベイルートでは、ダウンタウンを散歩しながらモスクや教会を訪れる。
 近郊のビブロスとバールベックには、それぞれ世界遺産の遺跡があるのでそこへも出掛けよう、と妄想はここまで。

 さて、今回実際に訪れたのは、神奈川県横浜市中区にある「アルアイン」。ここはクウェート大使館の専属料理人を勤めていた、レバノン出身の熟練シェフが腕を振るうレストラン。
 週末の夜はベリーダンス付きのコースのみだったので、知人を連れて5000円のフェニキアコースを予約して訪れた。

 レバノン料理はシリア料理と似ており、隣国のイスラエルやパレスチナや、トルコやギリシャ料理などとも共通した要素を持つ。特徴としては 、ハーブ、オリーブオイル、レモン、ゴマ、ヨーグルトを使った料理が多い。

 頼んだコース内容はタブーリサラダ(パセリ、トマト、オニオンの微塵切りのプチサラダ)、3種のピュレの盛り合わせ(ひよこ豆・ナス・ヨーグルトチーズ)にホブズ(アラブ風の平たいパン)、小さなオードブル(チーズ・カレー風味の春巻・乾燥そら豆のコロッケ)、ラムチャップのケバブ、アラビアのムサカ、デザート、アラビアンコーヒー。

 これらをアラックという50度の酒を飲みながら味わった。この酒は透明だが水を灌ぐと白く濁るもの。白葡萄とアニスなどのハーブを漬け込んで作られた酒で、2500年前から醸造されている世界的にも古い酒だという。

 ベリーダンスショーは30分間あり、エキゾチックな顔立ちの美人ダンサーが熱演。店内の写真撮影がNGGだったのでその姿は残せなかったが、料理に酒にダンスと、一味違うアラブの世界を十分堪能出来た。

[この日の写真]




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