ヨルダン(17国目) 2018年12月16日


 レバノンのベイルートから次に目指すのはヨルダンの首都アンマン。陸路で移動する場合はシリアを通過する必要がある。だが内戦中のシリア入国は現在は無理。
 隣国にはイスラエルもあるが、レバノンとは敵対国なのでこの陸路も無理。レバノンからエジプト行きのフェリーがあればいいがそれもないので、ここは止む無く飛行機を利用してアンマンへ移動。

 ヨルダンは立憲君主制国家で、宗教はイスラム教。国民のほとんどがアラブ人だが、半分は中東戦争によって流入したパレスチナ難民とその子孫。
 通貨はヨルダン・ディナールで、物価はかなり高い。治安は安定していて親日家も多いが、イスラム国なのでテロの危険はやはりある。

 ベイルートのラフィク・ハリリ空港からアンマンのクィーンアリア空港へは1時間のフライト。ビザはかつては有料だったが、現在は不要になったようだ。
 空港からアンマン市内へはアクセスが悪く1時間半くらい。エアポートバスでムジャンマ・マシャマーリーへ行き、そこからタクシーで安宿があるダウンタウンへ向かう。

 アンマンではローマ劇場や城塞シタデルを観光。それと見逃せないのは世界遺産のペトラ遺跡。ここは映画「インディージョーンズ 最後の聖戦」の舞台でも有名。
 また、世界一入場料の高い世界遺産としても有名なペトラは、遺跡の7割が未だ未発掘だという。アンマン市内からはバスで3時間なので日帰りで訪れるたい。

 もう一つ有名な観光地が死海。ここは標高マイナス400mの場所にあり、塩分濃度が30%で魚が住めず、人が浮くことで知られる湖。
 アンマン市内からは車で1時間だが、公共交通機関が不便なのでタクシーを利用。湖面にプカプカ浮かびながら本でも読んでまったり。

 ヨルダン南部にある世界遺産のワディ・ラムも見逃せない。月の谷よ呼ばれるワディ・ラムは砂漠の中にある奇岩で、アラビアのロレンスをはじめとする映画の撮影場所としても知られる。
 砂漠の民であるベドウィンが案内するキャンプツアーがあるので、アンマン市内で申し込んで1泊2日で訪れるとしよう、と妄想はここまで。

 さて、今回実際に訪れたのは、東京都豊島区池袋にある唯一のヨルダン料理レストラン「月の砂漠」。注文したのはヨルダンの国民食と言われるマンサフ。
 これは柔らかく煮込んだラムかチキンに、ジャミードと呼ばれる乾燥させたヨーグルトで作られたスープをご飯にかけた料理。

 ジャミードはチーズのルーツと言われ、アラブの砂漠で暮らす遊牧民・ベドウィンが生み出した知恵。羊の乳を桶に入れて4日間放置した後、山羊の皮袋に入れ1時間近く振る。
 その後、水分を切って保存のために岩塩を加え日光で乾かす。こうして完成したジャミードは、石のように固くなり10年は持つとという。

 独特の味がするそのマンサフを食べながら、異国情緒が溢れる装飾が施された店内で、すっかりと妄想旅行の気分も味わえた。

[この日の写真]




Copyright (C) 2019 諸行無常 All Rights Reserved