イラン(11国目) 2018年11月17日


 パキスタンのタフタンから国境を超えて隣国イランへ。ビザはイスラマバードで取得しといた。ここまでアジア諸国を通過してきたが、ここから先は中東諸国のエリアを進んでいく。

 国境を超えたイラン側のミールジャーべまでは10km程なので歩いて向かい、そこからバスで1時間のザーヘダーンへ。
 この町から約200km離れたザーボルの近郊には、シャフリ・ソフタという世界遺産がある。「消失の町」という意味のこの遺跡は、発掘作業を進めている現在も多くの謎があるというので是非見てみたい。

 イランは共和制のイスラム国で、かつてはペルシャと呼ばれていた。世界第1位の天然ガス埋蔵量と、世界第4位の原油埋蔵量を誇り、エネルギー大国としても有名。
 通貨はイラン・リヤルで、物価は日本の3分の1。治安は国境付近でなければ比較的安全。親日家が多いので親切なもてなしを受けれるようだ。

 ともかく、ザーヘダーンからはバスで5時間移動してバムへ。ここでは世界遺産のアルゲ・バムを堪能。砂や粘土などで作られた要塞都市の遺跡は、2003年のバム地震で崩壊したようだが、その後に修復がなされたようだ。

 バムからはヤズドへと8時間のバス移動。イランの中央部に位置するヤズドは、3000年以上の歴史がある砂漠都市。世界最古の宗教の一つであるゾロアスター教の聖地なので、それらの寺院を観光するのがいいだろう。

 ヤズドからバスで4時間のイスファハンへ。かつて「世界の半分がある」と言われるほどの人や富が集まったこの町には、イマーム広場や荘厳なモスクがあるので、たっぷりとイスラム世界を味わおう。

 イスファハンから首都のテヘランへはバスで6時間。世界有数の大都市圏を形成しているテヘランには、世界遺産のゴレスターン宮殿や中東最大規模のバザールなど見所が満載だ。

 テヘランから北東に向かえば隣国のトルクメニスタンへ行ける。そこからカスピ海をフェリーで渡ってアゼルバイジャンにも入国出来る。
 だがトルクメニスタンは中央アジアの北朝鮮と言われる独裁国家。通常の観光ビザを取る為には、ガイドを予約しなければならない。手間もお金もかかるので、旅人はトランジットビザと呼ばれる5日間有効の短期ビザを取得する。

 それをテヘランで申請し、国境近くのマシュハドで受け取る事が可能なのだが、所要は最低でも10日間で費用は55ドル。さらに入国の際に12ドルの手数料も必要。
 10日は待ってられないのでトルクメニスタンは止めて、イランからそのままアゼルバイジャンを目指す。

 なので、テヘランではアゼルバイジャンのビザを取得しとく。そして国境のアスタラへとバスで8時間の移動、と妄想はここまで。

 さて、今回実際に訪れたのは、東京都杉並区高円寺にある「ボルボル」。イラン料理の特徴はハーブやフルーツが多用されること。またターメリックも多く使われるので黄色い料理が目立つという。

 注文したのはイラン料理代表の一つゴルメザブジィのセット。これは羊肉とレッドビーンズがハーブで煮込まれたもの。メインの前に出てきた大麦のスープはライム果汁が添えられ、そのままでもかけても美味しかった。

 メインと共に出てきたイラン風のバターライスは、黄色いサフランが混ざった長粒米。ゴルメザブジィも美味く、この米との相性がばっちりだった。
 店内にはイランの調度品が飾られ異国ムード満載。流れていた民族音楽のBGMがさらに雰囲気を高めていた。この店では水タバコやベリーダンスも楽しめるようだ。

[この日の写真]




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