初めてのパンク (滋賀) 2002年


 琵琶湖畔の高木浜キャンプ場から琵琶湖一周へと出発。昨日、自転車の後輪の空気が抜けていたので入れたのだが、今日また調べてみると昨日と同じ状態に。初めてのパンクである。ここまで26日間一度もなかったのは、運が良かったたけだ。

 キャンプ場の近くに民宿があったので、そこで空気入れを借りて修理に取り掛かった。しかし、久し振りだったので思うようにいかず、外側のチューブすら外す事ができない。いくらやっても外せないので諦めた。
 昨日から今日までタイヤの空気は一日持ったのだ。しばらくは大丈夫だろうと、とりあえず空気だけ入れて長浜市へ向かった。

 走りながら修理の仕方を思い出したので、長浜市で自転車屋に行って再度パンク修理に取り掛かった。さすがに今回は手際よくいき、簡単に直す事が出来た。ようやく安心して出発したが、走る度にガタンガタンと変な弾みがする。

 後輪をよく調べてみると、空気を入れるピンの下の所だけが妙な膨らみ方をしていた。走っていて気持ち悪いので、再び自転車屋に寄ってチューブをはめ直し、今度は完璧に直すことが出来た。

 長浜の町の一画は昔の城下町の雰囲気が残り風情があった。近くには「びわこ大仏」という高さ28mある阿弥陀如来立像などもあった。一通り散策した後、湖畔沿いをさらに走り隣の彦根市へと向かった。

 過去にテレビで「鳥人間コンテスト」という番組を何度か見た事がある。これは、動力を持たず、パイロットによる操縦で飛行する人力飛行機の飛距離を競う大会。このコンテストの舞台が彦根市の琵琶湖畔ということを、ここに来て初めて知った。

 彦根市から湖畔を逸れ、国道307号線に入り多賀大社を見に行った。ここは日本神話に登場する日本の国を「産んだ」とされる、男女神のイザナキノミコトとイザナミノミコトを祀る神社。また「お多賀さん参り」としても有名な場所だ。

 神社の前には土産屋が並んでおり、どの店も「糸きり餅」を売っていた。一人前100円だったので、試しに食べてみようと土産屋に寄った。荷物を乗せてる私の自転車を見て、店のおばちゃんはどっから来たのかと声を掛けてきた。

 ここまでのいきさつを話すと、おばちゃんを含め店の人も全員が驚き、餅をご馳走してあげるから休んでいきなさいと、店の中に招いてくれた。
 糸きり餅は中にこしあんが入っていて美味しかった。お茶もご馳走になり、世間話をしながらすっかり長居させてもらった。

 再び湖畔へ戻り、今夜の寝床に予定していた近江八幡市の牧キャンプ場を目指す。途中で能登川水車という看板を目にしたので行ってみた。水車は大きなものだったが、ここに行くまでの田園風景の方が見応えがあった。

 その後、近江八幡市にある古い商人の町並みを眺めながら、近江八幡駅前に到着。長浜や彦根よりも、この近江八幡の方が栄えているようだった。

 琵琶湖畔の牧キャンプ場に着いた時は、すでに辺りは暗くなっていた。今日もかなりの距離を走った気がする。このキャンプ場は無料だが、明かりがないのでほとんど真っ暗だった。でも、他にはキャンプ客などいないので、静かに眠れそうだった。




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