豪華な温泉 (兵庫〜京都) 2002年


 淋しかった竹野町を去り、県道11号線を東に向かい京都府に入る。国道178号線に入る手前の久美浜町でコインランドリーを見つけたので、溜まっていた洗濯物を洗っていった。待っている間に町を散策し、米などの食料も調達した。

 178号線をさらに走った所には、全国でも3ヶ所しかないという鳴きの砂浜である琴引浜があった。京都といえば、古い寺がある古都というイメージしかなかったが、北部は日本海に面し、おまけにこんなビーチまであるなどとは考えたこともなかった。

 琴引浜の砂浜の奥には、無料の温泉が湧いているとツーリング・マップルに書いてあった。それがどんな場所なのか興味を掻き立てられたので、温泉を求めてビーチの奥へと行ってみた。鳴きの砂浜という琴引浜だったが、歩いても砂はちっとも鳴らなかった。

 てっきり建物があるのかと思っていたが、その無料温泉は砂浜の上にある浴槽で、大きさも5、6人入れるくらい。お湯はパイプを利用して、遠くから運んできていた。
 折角なので、汗を流していくことに。ビーチにあるので目の前はもちろん海。こんなロケーションの露天風呂など今まで入ったことはない。まさに秘湯と言える場所だった。

 無料温泉を出た後、引き続き日本海沿いの178号線を走り、丹後松島などを眺めていった。日本三景の「松島」に似ていることからそう呼ばれる丹後松島は、 リアス式海岸で奇岩が陸続きで連なっている場所だった。

 そのまま進んで丹後半島の北端である経ヶ岬に到着。岬の灯台まで続く遊歩道には、野生の猿などがいた。
 海抜140mの断崖に立つ経ケ岬灯台は、京都百景に選ばれた景勝地。眼下には柱状玄武岩の断崖が広がり、日本海と能登半島を一望できる場所。さすが見応えのある景色だった。

 経ヶ岬から下った伊根町の浦島神社にも寄って行った。浦島太郎の伝説が残るという神社だったが、さほど感動するものは何もない。それよりも自分の竜宮城探さなければと、この先にあった本庄浜でテントを張ることにした。
 集落と漁港が隣接する本庄浜はのどかな場所で、爺さんになった私はそこでのんびり過ごした。




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