インド4大聖地の1つ (プリー) 2003年3月23日〜27日


 オリッサ州のプリーはインドの四大聖地の一つ。町の中心にはジャガンナート寺院があり、ヒンドゥー教の巡礼者たちが年間を通じて絶えなく訪れている。寺院までの大通りの両側には多くの店が並び、歩行者から車までがひっきりなしに動き回っていた。

 寺院の搭の高さは60m。四周を高い塀に囲まれ、異教徒は門から中には入れない。混沌とした町にそびえ立つ寺院の存在感は、どこから眺めても際立っていた。

 寺院では1年に1度、10万人ものヒンドゥー教徒が訪れる大きな祭りがある。その祭りのハイライトは、3体の本尊を乗せた巨大な山車を牽いてグンディチャー寺院に向かうというもの。
 かつてはジャガンナート像を載せたその山車に轢かれて死ぬと、極楽往生が出来るなどと信じられていた事もあるという。

 ベンガル湾沿いに300km続くビーチエリアは、中心地の喧騒とは対照的で静かだった。ホテルや宿も多くあるが、この時期に海で泳いでいる者はほとんどいなかった。代わりに牛がビーチで寝ていたのは何ともインドらしかった。

 カーステを大音量で流すミニバスに揺られ、近郊の町コナーラクへ行った。ここにはオリッサ建築最高傑作とも言われるスーリヤ寺院がある。
 太陽の運行を司る為の巨大な石造の馬車として創られた寺院は、基礎部に直径3mもの車輪が12対も彫刻され、カジュラホの遺跡でも有名な、ミトゥナ像(男女が交わるレリーフ)が施されていた。

 泊まっていた宿の先には、フィッシャマンズ・ビレッジと言われる漁村があった。弥生時代のような住居が建ち並ぶ村の中では、村人たちが網の手入れなどをしていた。
 気さくな若者や子供たちから声を掛けられ、地元の連中ともコミュニケーションを楽しめた。この村には、野性的な人間の生活がたっぷりと溢れていた。

 プリーには政府公認のマリファナ店があると聞いた。その店がどこにあるか分からないので、宿にの若者に聞いた店に足を運んでみた。
 その店は確か、ミッキーとかいうおやじがやっている「ミッキー・レストラン」だったと思う。レストランの店内にはヒンドゥー教のポスターや神棚などが飾られ、そこで信仰深くマメに線香をあげていたおやじがミッキーだった。

 表向きは真面目な宗教信者のようだが、レストランの裏ではさながら売人のような顔に変わったのが面白かった。そこにはジャマイカ人の男もいて、店とは正反対に怪しい雰囲気が漂っていた。

 この町に来るまでのどかな町で過ごしていたので、プリーでは久し振りにインドのパワーを物凄く感じ、北インドに戻ってきた事を強く感させられた。
 ここからさらに北上すれば都会のカルカッタがある。そこにはもっと凄いパワーが待っているに違いない。




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