3日目 石川2(前編) 2017年5月5日


 世界一長いベンチを出発して海岸線を走り、今日最初の観光はヤセの断崖。何気なく立ち寄ったが、その迫力は昨日見た東尋坊よりもかなり上。ここは飛び降りれば間違いなく死ぬと思った。

 さらに能登半島を北上して輪島市の朝市へ。ここは千葉県勝浦市、岐阜県高山市、佐賀県唐津市と並ぶ日本四大朝市の一つで、千年以上の歴史がある。
 通りに開かれている露店には海産物をはじめ、干物や野菜、民芸品などが売られ、観光客で賑わい朝から活気があった。

 朝市のエリアには「マジンガーZ」や「キューティーハニー」で有名な漫画家、永井豪の記念館があった。ここにある理由は氏が輪島の出身だから。
 アニメよりも私が味わいたいのは日本海の幸。それを求めて「漁師の店 こだわり」へ行ったが開店前。腹も減っていたので「なんで開いてないんだ!」とデビルマンの様な形相になった。

 海の幸は諦め、輪島から少し走って白米千枚田へ。日本の棚田百選や農業遺産に認定されているこの棚田は、日本海に面して青と緑のコントラストが絶妙。まさに自然のアートだった。
 ロケーションが優れているので、CMのロケ地としてもたびたび利用されているという。田の数が多いので千枚田と呼ばれるが、「狭い田」の言葉が転じたという説もあるようだ。

 輪島市は塩が有名で、塩の駅では塩作りの見学が出来た。昔ながらの釜揚げ式で作られる輪島塩。
 その行程で塩田に桶で水を巻く風景は、NHKの朝ドラ「まれ」で見た事があった。ドラマはちゃんと見てなかったので話は知らないが、この輪島が舞台だったようだ。

 その後、能登半島の先端である禄郷崎へ。ここは晴天時に佐渡ヶ島や立山連峰も見渡せ、朝日と夕日が同じ位置から見る事も出来るという。
 そろそろ日本海の幸を食べたかったが、岬周辺に数軒あった食堂はどこもピンとくるメニューがない。仕方なく半島を南下して珠洲の町へ行くとスーパーがあったので、ここで「ふくらぎ」という刺身と米を買いお手製刺身丼を作った。

 腹を満たした後、国道249号線を南下して見附島へ。鵜飼海岸に浮かぶこの島は、別名「軍艦島」と呼ばれる高さ28mの岩。見た目は名の通り、軍艦がこちらに向かってくるかのよう。
 この海岸は「えんむすびーち」と呼ばれる恋人たちの聖地でもあり、カップルたちは浜辺にある縁結びの鐘を鳴らして愛を誓い合うという。

 国道249号線を南下して穴水町まで来ると、海辺に「ぼら待ちやぐら」があった。これは江戸時代に始まった原始的な漁法。
 やり方はやぐらの上でボラの群れが通るのを見計らい、一気に仕掛けた網を上げて捕獲というもの。現在は観光用として残されてるだけで、実際の漁には使われてはないようだ。(後編に続く)

[この日の写真]




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