2日目 石川1(後編) 2017年5月4日


 腹を満たした後に向かったのはモーゼパーク。モーゼとは旧約聖書にも現れる、古代イスラエルの民族指導者。そのモーゼの墓が、なんと石川県にあるという。
 到着すると入口脇に日本でよく見る墓があった。これかと思ったが墓石にモーゼとは刻まれてない。案内図を見ると墓は山を登った所。

 そっち行ってみると「モーゼ一大聖主之霊位」と書かれた木板が立っている簡易な墓があった。隣にはなぜかシーサーがあり、小学生が書いたような絵も祀られている。
 正直これがモーゼの墓だと言われても、まるで説得力はない。シーサーじゃなく、せめてユニコーンでも置いてあれば少しはその気になるってもんだ。

 奇想天外な日本史が書かれている「竹内文書」によると、モーゼはエジプトにあるシナイ山を登った後、天浮船に乗り能登の宝達山に到着。そして天皇家の大室姫と結婚して538歳まで生きて、ここに葬られたという。
 最初から面白半分で墓の事は信じてないが、話に信憑性を持たせたかったら、もう少しまともな墓を作るべきだ。

 モーゼパークの後に海岸へ向かい、千里浜なぎさドライブウェイを走る。ここは全長8kmに渡る波打ち際の砂浜の道路で、日本で唯一に加え、世界でも珍しいところ。
 走るだけでも気持ちいいが、波打ち際に車を停車してくつろぐ事も出来る。千里浜は砂の粒子が細かく、大型バスでも通行出来る堅い砂浜だという。

 ここから羽咋市へ向かい宇宙科学博物館コスモアイルへ。館内には人類が宇宙から帰還した時のカプセルや、過去に開発された宇宙船の実物大模型、さらにUFO資料なども展示されていた。
 羽咋市は江戸時代からUFOの目撃が度々あり、日本一UFOの目撃情報が多い「UFOの街」としても有名らしい。モーゼの墓にUFOと少々胡散臭い石川県だが、本気でこういう施設を作ってるのには感心する。

 それから日本海沿いの国道249号線を走り、能登金剛の巌門を観光。海に突き出た巌門は浸食によって開いたもの。似たようなものは他所でも見た事があるので、これといった感動もなかった。
 その先の増積海岸には世界一長いベンチがあった。海岸に伸びるベンチの全長は460,9mで、夕日のスポットとしても人気があるようだ。

 ちょうど夕暮時だったので、ベンチの裏にあった土産屋を今夜の宿泊地に。すぐ近くにあったスーパーで食料を調達して再びベンチへ。そこで日本海に沈む夕日を眺めながら、至福の晩餐を味わう。
 こういうシチュエーションでは隣に恋人がいればロマンチックだが、生憎私は一人旅。話し相手に宇宙人かモーゼでも来てくれないかと考ながら酒を煽った。

[この日の写真]




Copyright (C) 2019 諸行無常 All Rights Reserved