2日目 石川1(前編) 2017年5月4日


 道の駅みくにを出発し、国道8号線を進んであわら市にある吉崎御坊吉崎寺へ。ここに来た目的は「嫁威し肉付き面」を見るため。これは、憎い嫁を脅すために婆さんが鬼の面を被ったが、それが顔から取れなくなったというもの。

 見たかったのだが、朝早くて寺がまだ開いてない。おまけに腹が下ってきたので、待ってもられない。我慢して自分も鬼の面のようになってきたので、面より便だと、急いで近くのコンビニに駆け込んだ。

 この先で石川県に入り、小松市まで走ってハニベ岩窟院へ。高さ15mの大仏頭部が入口の岩窟院には、院主自作の仏像などが安置され、地獄巡りが出来るようになってる。だがここも時間が早かったので、内部の観光はお預け。

 名前に付いているハニベとは彫刻家の意味で、この周辺には石切り場跡がいくつもの残っている。インパクトがある頭部だけの大仏は、将来的には胴体も作る予定で、完成すれば高さ33mの巨大仏になるらしい。

 だが、現在二代目の院主は過去に除霊と称し、女性に猥褻行為をして逮捕された事があるという。なので、再び同じような除霊が勃発すれば大仏の完成はおろか、自分が岩窟のような牢屋に行ってしまうだろう。

 その後に訪れたのは完成予定の大仏よはるかにデカい、高さ73mもある加賀大観音。その下には廃墟のような観音ホテルがあった。
 調べたところ、ここは1987年のバブル経済真っ只中に「ユートピア加賀の郷」として開業されたもの。ホテルだけでなく、仏教関連のテーマパークや遊園地も含めた一大複合施設。

 だが、バブル崩壊後に経営不振になり、施設のほどんどは閉鎖。現在は一部のみが、宗教法人豊星会によって運営されているという。
 加賀大観音は中を見れたのだがオープンは9時から。仕方なく周辺をうろついていると、廃墟ホテルから人がぞろぞろ現れて観音へと向かって行った。彼らはここに住んでいる豊星会の関係者たちだったのだろうか。

 ユートピアを離れ、国道8号線で金沢市内へと移動。市民駐車場に車を置き、折り畳み自転車に乗り換えて市内観光へ繰り出した。
 まずは「世界で最も美しい駅」の一つにも選ばれている金沢駅へ。鼓門という木造の門の奥には、鉄骨とガラスで作られたドーム状の駅舎。確かにデザインは美しく、知らなけらば駅とは思えないデザインだった。

 それから、金沢市民の台所として知られる近江町市場へ。日本海の幸が並ぶ市場には、石川名物のどぐろや、その場で食べられる生ガキなどが目に付いた。
 その後、重要伝統的建造物保存地区のひがし茶屋街へ。出格子の建物が並ぶ通りは、古き良き日本を思わせる風情。自転車で駆け抜けるのは似つかわしくないので、押しながらゆっくりと歩いて堪能。

 もちろん金沢の代名詞である、日本三名園の一つ兼六園にも。具体的にどこが凄いのかは分からないが、とにかく広くて癒される空間。
 園内にあった武尊像は日本で初めての銅像。その武尊は銅に含有してるヒ素で電流を発生し、約130年間も鳥がとまらず、糞もかけられてないという。

 海の幸が並ぶ近江町市場でランチをしなかったのは、金沢発祥の洋食「ハントンライス」を食べるため。これはオムライスの上にフライが乗り、ケチャップとタルタルソースがかかったもの。

 その発祥の店と言われる、有名店「グリルオーツカ」へ行くとかなりの行列。1時間は待ちそうだったので、車に戻って別の店に移動。
 国道8号線を少し戻り、もう一つ有名な「キッチンユキ」で目当てを食す。ジャンクフードの結晶という感じだが、味は大満足だった。(後編へ続く)

[この日の写真]




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