1日目 中編 2018年9月22日


 3番常泉寺で「秩父礼所 サイクル巡礼」という幟があった。その横にはQRコードがある看板。説明を読んでみると、携帯でバーコードを読ませれば無料登録できるとのこと。
 エントリーしてラリーポイントを集めれば、賞品が当たる抽選会に参加できる仕組み。御朱印と違いこれは無料なのでやりたかったが、1,2番では見かけずここは既に3番。戻るのも面倒なので諦めた。

 この辺りからのどかな田舎道になり、進んでいく前方にはシンボルの武甲山。だが雨上がりで雲が多く全貌は隠れてる。山下にはセメント工場のような、大きな建物が孤立したようにそびえ建ってた。

 赤い山門の4番金昌寺には、デカい草鞋がぶら下がっていた。本堂脇には子育て観音像があり、その頭上には「子育観音」という詩が飾られていた。詩があるなら曲もあるのだろうか。

 5番語歌堂を打ち(遍路で札所にお参りすること)、6番卜雲寺へ向かう途中に、三脚を立てて写真を撮る者が多くいた寺坂棚田があった。
 赤い彼岸花が咲く棚田の前には武甲山。花の赤と山の緑、空の青と雲の白というコントラストが映えるなかなかの景色だった。

 7番法長寺、8番西善寺を打ち9番明智寺へ行くと、真横はさっきまで見えていたセメント工場。2本ある煙突には「三菱マテリアル」と書かれていた。
 この辺りで雲が晴れて全体が見えた武甲山は、山頂から下の上部がかなり削られ、まるで禿山のような姿。

 これは関係あるなと調べたところ、武甲山は高純度の石灰石を豊富に埋蔵する日本屈指の大鉱床。明治期よりセメントの原料として、採掘が進められているとのこと。
 全て掘られたら武甲山はなくなるのかと思ったが、採掘されているのは北側斜面。将来は頂上から北側は巨大な絶壁と大きな穴になるが、南側に石灰はないので山が消えることはないという。

 10番大慈寺には「心が叫びたがってるんだ」のポスター。テレビ見てタイトルだけ知っていたこの映画は、アニメと実写の両方で作られた青春もの。こんな所にポスターがあるってことは、おそらく映画の舞台が秩父の話なのだろう。

 11番常楽寺を打って羊山公園へ立ち寄る。ここは「芝桜の丘」で知られ、毎年春の開花時期には多くの観光客で賑わう場所。
 行ってみたがもちろん今は花はなく、武甲山が見える緑の芝。ここが一面ピンクになった景色はいつか見てみたいものだ。

 羊山公園から歩行者だけが通れる急坂を下り12番野坂寺を打つ。昼に秩父名物「わらじカツ丼」を食べようと安田屋へいったが、開店30分後で既に30人程の行列。
 1時間は待ちそうだったので、もう一つの名物「豚みそ丼」にしようと、近くの野さかへ移動したが、こちらも人気店でさっき以上の行列。待ちたくはないので両方諦め、次の観音様に会いに行くことにした。

[この日の写真]




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