千葉編 2016年5月3日


 初日は11の寺を打つことが出来たので、既に3分の一は巡ったことになる。しかし、ここから先は寺と寺の移動距離が長い。
 4日間で全てを回らなければならないので、早朝に不入公民館から出発し、長生郡にある第31番笠森寺を打つ。

 四国など他でもそうだが、正式な巡礼では納経帳を買って、訪れた寺でご宝印というスタンプを押してもらう。ただそれは無料じゃなく、納経代として1回300円の料金を払う。

 納経は本来、お経を自分で書写して寺院に納めるものだったようだ。それが簡略化され、お経を納めなくても参詣の証としてご宝印を貰えるようになったという。

 納経時間は大抵8時から17時なので、納経をやる人はその時間内に寺を訪れなければならない。私は移動がバイクの上に遊楽気分の巡礼。そもそも納経には関心がないので、8時前でも17時以降でも寺を打てばいい。

 第31番笠森寺の後は、木更津市にある第30番高倉寺へ向かう。昨日は神奈川県と東京を走っていたので、どこも交通量があり信号も多かった。千葉県の中央部に入ってからは信号も少なくなり、バイクで走ってるだけでも気持ちがいい。

 高倉寺の打って南下し、館山市にある第33番那古寺へ。ここは坂東三十三観音の結願寺。坂東の発起人でもある源頼朝は、石橋山の合戦において平家に敗れた後、7の家来を引き連れてこの那古寺へ逃げ込んだという。

 ここで再起を祈願した後、戦に勝利して鎌倉に武家政権を樹立。信仰心の篤い頼朝は観音様の御加護に感謝し、山上に本堂・三重塔・閻羅堂・鐘楼・地蔵堂・仁王門・阿弥陀堂の七基を建立した。
 そういう経緯から、ここが坂東三十三観音の結願寺に選ばれたのかもしれない。だが、私にとってはこの寺は終わりじゃないので、まだまだ先を急ぐ必要がある。

 館山市からは房総半島の東側を北上し、いすみ市にある第32番清水寺を打つ。それにしても千葉県は寺と寺の距離が長い。バイクでも遠く感じるのだから、歩きだったら途中で嫌になるに違いない。

 次に向かうのは、銚子市にある第27番円福寺でさらに遠い。ここは房総半島なので、バイクも暴走させてひたすらに北上する。

 国道128号線から県道30号線に入り、九十九里浜を通過する。この辺りはフラットな一本道で走りやすい。サーフショップが並び、サーファーの姿もよく見かける。

 そういえば昔、Mi-Keという女性3人組みのグル―プが「想い出の九十九里浜」という曲を歌っていた。そんなことを思い出しながら走っていると、旭市飯岡で「座頭市発祥の地」という碑を目撃。

 座頭市といえば勝新太郎で有名な映画で、盲目の侠客が主人公。最近では北野たけしもリメイクしていた。座頭とは江戸時代の視覚障害者の階級のことで、映画の主人公は実在した人物がモデルらしい。
 本名は阿部常衛門。越後長岡藩主牧野家の武士で、青年時代に眼病を患い失明。飯岡には年老いてから出向き、房総を代表する侠客の飯岡助五郎の子分になったようだ。

 銚子の第27番円福寺へ行く前に、関東平野の最東端の犬吠埼を観光。ここは日本国内で、元旦の初日の出が一番早く拝める場所として有名なようだ。

 円福寺を打った後、すく近くにあったイシガミという店で、銚子名物のぬれ煎餅屋を覗く。試食して一番美味かった「マンボー」を土産に購入。このマンボーは形がマンボーに似てるというだけのネーミングだった。

 銚子から利根川沿いの国道356号線を走り、成田市にある第28番龍正院を打つ。ここで本日の巡礼は終了。今日は6つの寺を巡り、千葉県の寺を全て打ち終えた。
 明日からは茨城県に入る。スタートは土浦市にある第26番清瀧寺なので霞ヶ浦まで移動し、湖畔にあった霞ヶ浦総合公園をキャンプ地にした。

[この日の写真]




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