愛鷹連峰縦走 (距離:20.9Km) 2012年6月30日〜7月1日


1日目
9:45 愛鷹登山口バス停
10:00 山神社
10:45 愛鷹山荘
10:55 富士見峠
11:10 黒岳
11:25 富士見峠
11:50 鋸岳展望
12:45 富士見台
13:15 越前岳
14:20 呼子岳
14:40 割石峠
14:55 蓬莱山

[ この登山の軌跡 ]

2日目
5:30 蓬莱山
5:45 割石峠
6:30 大杉
6:55 位牌岳分岐
7:10 佐野川
7:20 山神社
7:35 愛鷹登山口バス停
8:05 ファミリーマート
8:40 大野路
9:05 富士ファーム
9:30 砂向バス停





1日目 愛鷹登山口バス停〜蓬莱山 (所要:5時間 距離:7.9Km)

 先週に達成出来なかった愛鷹連峰縦走をリベンジすることに。前回は東海道線の原駅から歩き、東海大の先から愛鷹山だけに登ったので、今回は北側の登山口から登ることに。そこから黒岳、越前岳、呼子岳、位牌岳、愛鷹山と縦走するのが今回のルート。

 スタート地点の愛鷹登山口までは御殿場駅からバス。バス停から歩いた先の山神社には駐車場があり、十数台の車が停まっていた。どうやらここから登るのが一般的らしい。
 鳥居の横には「松永塚」と刻まれた石碑があった。この松永という人はこの山の登山道の開祖だが、80年前にここで遭難したらしい。その遭難をきっかけに、その後さらに登山道は整備されていったという。

 そこそこの傾斜を上りながら、まずは黒岳を目指す。40分程登ると「無人・無料」と書かれた愛鷹山荘があった。ここにはトイレもあり、沢水を汲める場所もあった。そのパイプからは水がチョロチョロトしか出てなかったので、枯れることもありそうだ。

  その先の富士見峠を右に進み、黒岳山頂に到着。山頂から望める展望はほとんどなく、銃声のような音が聞こえてくるだけ。
 狩でもしてるのかと思ったが、考えてみれば下界にあるのは自衛隊の演習場。音は頻繁に聞こえてきたので、自衛隊が演習していたのだろう。

 今まで登山靴は履いたことがなく、毎回スニーカーで歩いていた。過去に富士山に2回登ったことがあるが、その時もスニーカーだった。
 別にそれでも問題ないのだが、重荷を背負って長時間歩くには、登山靴の方が足への負担が軽減するだろうと、今回から登山靴を使用することにした。

 歩き易さに違いは感じられないが、足への効果は大きいだろう。そんな事を期待しながら黒岳から次の越前岳を目指す。山頂の手前には富士見台があった。

 ここから見る富士山は、昔の50銭紙幣の図案に採用されたものだという。富士山の撮影に一生を捧げた岡田紅陽という者が、それを撮影したようだ。
 その景色を見れるかと思ったが、この日は雲が多くて、富士山はおろか何も見えず周囲は真っ白。その先の越前岳山頂も同様だった。

 越前岳からは狭い尾根の道になり、勾配の急なアップダウンが続く。真っ白な景色は晴れ、周囲の山は見えるようになってきた。進んでいく先はかなり険しい峰。
 1時間進んで到着した呼子岳山頂は展望がほとんどなし。代わりに見たのはロープがされた「廃道」というプレートだった。

 今日の予定は位牌岳まで。呼子岳から割石峠・天狗の畑を経て進んでいくと、警告の看板が立てられていた。ロープは張られてないので進むことは出来たが、看板によると、ここ蓬莱山より位牌岳までのルート(鋸岳)は、山が古く風化・崩落が進んでおり非常に危険で、滑落死亡事故も発生してるとのこと。

 位牌岳に鎖場がある事は知っていたが、それは急斜面を登る程度のものと考え、詳しく調べてなかった。だが滑落して死んだ者がいるとなると、危険度はかなり高いに違いない。「鋸」との名が付いてるので、この先はギザギザの急勾配のはずだ。

 先の詳しい状況も分からないので、軽い冒険気分で進むのはリスクが大きい。周囲も再び雲に覆われて真っ白。しばらく迷ったが気分が乗らないので、先へ進むのは止めることにした。

 来た道を引き返して下山となると4時間。割石峠には「須山」と記された分岐があったので、そこからも下山出来るようだったが、どれくらい時間がかかるか分からない。
 看板が立てられていた蓬莱山頂上は狭かったが、テントが張れるスペースがあったので、今夜はここで休んで翌日に下山することにした。

 登山前の下調べはもっと入念にしなければならない。縦走する一方通行だけでなく、どこで山を下りれるかも、全て調べなければならないと知らされた。
 あのまま安易な気持ちで進んでいたら、どこかで滑落して死亡して、それこそ「遺灰だけ」になっていたかもしれない。


2日目 蓬莱山〜砂向バス停 (所要:4時間 距離:13Km)

 来た道と同じルートで下山するのは嫌なので、割石峠の分岐から須山方面へ下山。行きに降りたバス停の辺りが須山なので、昨日の移動を考えれば、そこまで5時間はかからないだろう。
 下り始めてすぐに道は岩だらけの沢になった。水は流れてなかったが、大雨の後とかは水が流れるのかもしれない。

 大きな岩が多いので歩きやすく、どんどん下っていく。途中にあった看板を見ると、このルートは大沢登山道という事が分かった。沢の岩にあるペンキの記しを辿りながら、沢を下ったり逸れたりしながら進む。

 1時間下ると松永沢分岐があり、ここから傾斜が緩やかになった。その先には「大杉」という巨杉があり、山神社まで1時間という看板もあった。
 バス停に戻れるルートだと分かったので一安心。しかも割石峠から2時間で下山出来るとは。知っていれば昨日の内に下りることも出来た。

 大杉の先からは沢を歩くこともなくなり、車が通れる幅の廃れた林道になった。沢の幅も広くなり、土石流を防ぐ堰が何箇所かあった。この林道はそれらを建設する際に造られたものだろう。
 6月中旬に通過した台風4号の影響か、山では所々で倒木が見られ、林道の一箇所にも大きな木が倒れて道を塞いでいた。

 さらに下ると「前岳・位牌岳」の分岐があった。ここには危険を記す看板がなかったで、このルートなら安全に、位牌岳を経て愛鷹山まで縦走出来るのだろう。だが、水も残り少ないし食料もないので、縦走は諦めてそのまま下山。
 その先にはかなり広い幅の沢を渡る場所があった。水がない岩だらけの沢もなかなか絵になる。渡った先に看板があり、ここが佐野川の源流である事が分かった。

 山神社はそのすぐ先で、蓬莱山頂上から2時間でバス停まで下山したが、運悪くバスが来るのも2時間後。さすがに待ってられないし、体力はまだまだあるので、このまま御殿場駅へと歩くことにした。
 30分下るとファミリーマートがあったので、売られている地図で駅までの距離を調べると13km。3時間はかかるので、歩いてる途中でやがて来るバスに乗ることにした。

 ファミリーマート先の民家でおじさんと立ち話をし、今回進むのを止めた鋸岳がかなり危険だった事を知った。稜線が崩れて足場がない場所を、ロープだけを頼りに進む箇所もあるのだという。やはり軽はずみな気持ちで進まなくて正解だった。
 その後、そのまま国道469号線を歩いて、自衛隊の演習場を抜けた先の砂向バス停からバスに乗り、御殿場駅から自宅へと戻った。

 帰宅後すぐに鋸岳の事を調べてみると、おじさんから聞いたように危険箇所がいくつかあったが、縦走することは可能なようだ。しかし、そこを進むのはあくまでも自己責任。
 重荷を背負いながらでは体のバランスが悪くなりそうなので、今度は日帰りを考えて軽身で訪れ、この鋸岳の縦走に挑戦してみたい。




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