北マケドニア(63国目) 2019年3月23日


 ギリシャのテッサロニキからマケドニアの首都スコピエへは鉄道で5時間。現在は共和制のマケドニアは、かつてはアレンクサンドロス大王が率いた王国。
 拡大した勢力でインド周辺までを支配下に治めていたが、同様に勢力があったの共和政ローマと衝突して敗北し属州になった。

 その後、19世紀のバルカン戦争によって、領土はギリシャとブルガリアの3つの国に分かれ、それが現在まで続いている。当時はセルビア領マケドニアで、後にユーゴスラビアの一部となるが、第二次大戦後に独立した。

 ちなみに、古代マケドニアの領地が自国にあるギリシャは、マケドニアを国名で呼ぶことを嫌い、「ヴァルダル」や「スコピエ」と地名で呼ぶという。

 宗教はギリシャ正教の一つのマケドニア正教が7割で、イスラム教が3割。通貨はマケドニア・ディナールで物価は安い。

 最近は国名を「北マケドニア」に改名した事も記憶に新しい。ギリシャはマケドニアがNATOやEUに加盟するのを長く反対してきたが、国名変更承認によりそれを遂に取り下げたので、ようやくマケドニアはその道が開けたようだ。

 そんなマケドニアのスコピエでは、ノーベル平和賞を受賞した「マザーテレサ記念館」、市民が集う「マケドニア広場」「旧市街」、ヴァルダル川に架かる「石橋」などを観光、と妄想はここまで。

 さて、今回マケドニア料理を食べようとしたが、東京近郊にレストランがなかった。マケドニア料理はバルカン半島の他の国と同様に、トルコやギリシャの影響が強い。少し違うのは湖のあるアルバニアとの国境付近のマス料理。

 代表的なものはパプリカと茄子のペースト「アイバル」、ドライトマトと豆のオーブン焼き「タフチェ・グラフチェ」、山羊や羊の乳チーズを使った「ショプスカ・サラダ」など。

 店はなかったが家庭料理の代表とも言えるアイバルをネットで検索したところ、瓶詰がアマゾンで売っていたのでこれを購入し、自宅で食べることにした。

 マケドニアでアイバルの食べ方は、パンに塗って食べるのが王道。それだけじゃ物足りないので、ネットのレシピにあったスペアリブの肉料理と、タリアテッレのパスタも作ってみた。

 パンに乗せるのは「フェタチーズ」という、塩気のある山羊や羊の乳から作られるチーズも必要。なかったので、これは木綿豆腐を水抜きして塩とレモン汁を加え、ペーストにして代用品を用意。

 3品ともけっこう美味しく、店で注文して食べたかのように満足できた。アイバルはビタミンCやカロテンがたっぷり含まれた優れた食材で、ヨーロッパでは美容健康食品としても人気だという。

[この日の写真]



 

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