アルバニアのジロカストラからギリシャのイオアニアへはバスで2時間半。古代文明を持つギリシャは共和制国家で西洋文明の発祥地。
オリンピック、民主主義、西洋哲学に文学、歴史学、政治学、科学や数学的原理、悲劇や喜劇などのドラマなどがギリシャから生まれた。
多数のポリス(都市国家)で形成されていたが統一国家ではなく、マケドニア王国に征服された後に東ローマ帝国に属す。
オスマン帝国が東ローマを滅ぼすと、今度はこちらに征服される。その先で独立戦争が始まり、国王を据えたギリシャ王国が復活。その後は王政時代、軍事独裁政権時代、共和政治の確立と歴史が進む。
宗教はほとんどの国民が、キリスト教の一派であるギリシャ正教会の信者。通貨はかつてはドラクマだったが現在はユーロ。
物価は比較的安いが、2010年には財政危機に陥っている。最近ようやく金融支援から抜け出したが、経済は疲弊して国民は今も苦しんでいるという。
そんなギリシャで二本指を立てるピースサインをすると、「くたばれ」という意味になるらしい。親指を立てるグッドサインも同様の意味になるので気を付けよう。
それはともかくイオアニアでは、パンヴォティサ湖に浮かぶ小島や美しい自然を堪能。ここからカランバカへはバスで2時間半。ここでは世界遺産で奇岩の上に建つ「メテオラの修道院群」を観光。
カランバカからは首都のアテネへ鉄道で4時間の移動。古代遺跡が溢れるアテネでは、パルテノン神殿などがある「アクロポリス」、生活の場だった「古代アゴラ」、
市街とエーゲ海を見渡せる「リカヴィトスの丘」、アクロポリスを真正面に見れる「フィロパポスの丘」、夕日スポットの「ポセイドン神殿」などを観光。
アテネからはテッサロニキへ鉄道で6時間。ここでは天井が高い「アギオス・ディミトリオス教会」、古代の遺物を展示する「考古学博物館」、町のシンボル「ホワイトタワ−」、一般的な教会とは少し違う形の「ロトンダ」などを観光。
それと、ギリシャはオリーブオイル発祥の地でもあり、最古のワイン産地としても有名なので、それらもどこかで味わおう、と妄想はここまで。
さて、今回実際に訪れたのは神奈川県横浜市関内にある、日本で一番古いギリシャ料理店「スパルタ」。ギリシャ料理はオリーブオイルやトマト、レモンが使われ、山羊や羊肉、魚介類なども多用。
肉を火で炙るだけの原始的な料理を、現代の調理までに発展させたのはギリシャ人の功績が大きいという。なので古代から「ガストロノミー(美食家)」の伝統が根付いてるようだ。
代表的な料理で挙げられるのは野菜のラザニア「ムサカ」と、タラコとジャガイモを合えた「タラモサラダ」。ムサカは中東編のレバノンの時に食べたし、タラコサラダもイメージは付く。
なので、定番でも興味があるものを食べようと、ぶどう葉のごはん包み「ドルマダキア」と、ピーマンのライス詰め「イェミスタ」を注文。
イェミスタは普通に美味しかったが、ドルマダキアは正直不味かった。米にはそれ程味がなく葉の苦みが際立ち、添えられていたレモンをかけても美味しくない。
なぜギリシャ人はこれを美味しいと思って食べるのか、とまで疑問に思い、西洋と東洋の壁のカルチャーショックを久々に感じた。
料理と共に飲んだのは、ギリシャで最も飲まれている酒の「ウゾ」。これはアニス風味の様々なハーブで造られた蒸留酒で、水を加えると白く濁る。
レバノンの時にも飲んだ「アラック」と同じようなもので、味に癖はあるがついつい飲んでしまう。
ギリシャ料理は世界無形文化遺産の一つでもあるので、他にも美味しい料理は多くあるはず。その内また食べて、不味かったドルマダキアを払拭したい。
もしその時の店がギリシャ人シェフだったら、「美味しい」という意味で親指を立ててグッドサインをしないように注意しなければならない。
[この日の写真]