オランダ(50国目) 2019年3月2日


 ベルギーのブリュッセルからオランダの首都アムステルダムまではバスで3時間。立憲君主制国家のオランダの正式名称はネーデルラント。
 だが通称で「ホーランド」と呼ばれるのが一般的。また、英語で「オランダ語」「オランダの」と言う意味に「ダッチ」という単語がある。

 日本でダッチというと、男性用の性具「ダッチワイフ」を連想する人も多いだろう。最近ではラヴドールと呼ばれるその性具が何故ダッチワイフと呼ばれるのか。
 その語源は14世紀のイギリスまで遡る。単語は英語の意味だと、アジアで使われている竹や籐で編まれた筒状の抱き枕(竹夫人)のこと。

 当時のイギリス海運商人がオランダ海運商人を侮蔑する意図から、オランダ人が広く愛用していた抱き枕を指して、「オランダ人は枕と性交する」と吹聴したのが始まり。
 ちなみに、英語で「Let's go Dutch」だと「割り勘しよう」という意味になる。これもイギリス人がオランダ人を、ケチという悪口として考え出した表現のようだ。

 また、オランダは江戸時代の鎖国下で、欧州諸国で唯一外交関係を維持した国でもある。当時オランダを通じてもたらされた学問・技術は「蘭学」と呼ばれた。
 特にオランダ語で書かれた医学書の「解体新書」は、町医者だった杉田玄白らの手で翻訳され、東洋医学の概念から実証中心の西洋医学への概念の革新が起きた。

 話は逸れたがオランダの宗教分布は、キリスト教が25%でイスラム教が5%、その他が2%。半数以上を占める68%の人は宗教を信じてない。
 通貨はギルダーだったが現在はユーロで、物価は日本より少し安い程度。最近はカナダでも話題になったが、オランダは1970年代から大麻の合法化で世界的に有名。

「コーヒーショップ」と呼ばれる店での吸引は合法だが、販売や所持、栽培などは犯罪になる。さらに、オランダでは売春の本番行為も合法化で、「レッドライト(飾り窓)」と呼ばれる場所がある。
 多くの国で禁じられている両方が合法の国では、神様はそれ程重要重要視されず、宗教信仰も少なくなるのかもしれない。

 それはともかく、「水の都」とも呼ばれるアムステルダムは、運河が縦横に流れ1500もの橋があり、平均海抜は2mで国土の30%は0m以下。
 大気汚染や交通渋滞緩和、平坦な土地柄から、オランダでは自転車が移動手段として生活に根付き、人間の数よりも自転車の数の方が多いと言われるほど。

 そんなアムステルダムでは中心の「中央駅」から、王宮のある「ダム広場」、ショッピング街の「マグナ・プラザ」などを散策。
 さらに「運河クルーズ」「アンネ・フランクの家」「ゴッホ美術館」、そして前途した「コーヒーショップ」に「レッドライト」も見逃せない。

 オランダは風車でも有名だが、それも国土の海抜が低いのが理由。多くの風車が作られたのは、内陸に入り込む海水を防ぐため。
 その風車がある「ザーンセスカンス村」は、アムステルダムからバスで40分なので、日帰り観光してオランダの田舎風景を楽しもう、と妄想はここまで。

 さて、今回実際に訪れたのは、東京都台東区秋葉原にある多国籍・無国籍のダイニングバー「ジャーニー×ジャーニー」。
 ここは世界一周の経験を持つ店主が、その際に食べた料理の合計1165皿の一部を、再現、アレンジして提供してる店。

 オランダ料理の主はパンとニシン、ジャガイモで、北部フランス料理とも関連が深い。今回のオランダ料理を食べに来た「ジャーニー」は、前回のベルギー料理でも訪れたところ。
 選んだのはニシンを塩漬けにした国民食の「ハーリング」。日本では生魚を食べる特有の文化があるが、オランダは唯一このハーリングなら生で食べるようだ。

 店では等分に切られた魚に玉ねぎとピクルスとレモン、パンとオリーブオイルが付いたもの。塩味なのでそのままでも美味しいが、オリーブオイルは付けると濃すぎた。
 現地では切り身の魚に、粗みじん切りであく抜きをしてない玉ねぎを乗せ、尻尾を持って大きな口を開けて食べる、というのが正式な食べ方だという。

[この日の写真]



 

Copyright (C) 2019 諸行無常 All Rights Reserved