ポルトガル(45国目) 2019年2月22日


 ここまでアジア、中東、アフリカと44ヶ国を巡ってきた。この先はヨーロッパへと突入する。アフリカ諸国ではビザ取得が面倒なところが多かったが、ヨーロッパはほぼビザが不要なのがいい。
 ほとんど国が「シェンゲン協定」に加盟しているので、一旦EU圏内に入ってしまえば、パスポートチェックやスタンプすら必要ない。

 ヨーロッパでまず向かうのはポルトガルだが、その前に一度スペインを通過。モロッコのタンジェからフェリーに乗り、スペインのタリファへと2時間の移動。
 タリファからはセビーリャへバスで4時間。ここでは有名な映画のロケ地にもなった「スペイン広場」、かつての宮殿「アルカサル」、世界で3番目に大きい「セビリア大聖堂」などを観光。

 そしてセビーリャからバスで6時間移動してポルトガルの首都リスボンへ。共和制国家のポルトガルは、ヨーロッパで最初に海路で中国や日本など東アジアとの接触を持った国。

 国民の97%がローマ・カトリックを信仰。中部にある小さな町のファティマは聖母マリア出現の地として、世界的に有名な巡礼地でもある。
 通貨はエスクードだったが現在はユーロ。西ヨーロッパ諸国の中では物価が1番安く、治安も気候も良い。

 首都リスボンでは、オレンジ屋根の古い立ち並ぶ旧市街の「アルファマ地区」や、100年以上の歴史を持つ「サンタ・ジュスタのエレベーター」がる「バイシャ地区」などを散策。

 大航海時代の偉人の石像「発見のモニュメント」や1520年に造られた要塞「ベレンの塔」があるベレン地区や、山の上に建つ「ムーア城」、派手な色の「ベーナ宮殿」があるシントラ地区も見逃せない。

 リスボンからバスで3時間半移動して第二の都市ポルトへ。ここはアルコール度数の高いポルトガル生まれのポートワインの積出港としても有名。

 ここではドロウ川に架かる「ドン・ルイス1世橋」、歩行者天国の「サンタ・カタリーナ大通り」、ドロウ川沿いの丘にカラフルな家々が立ち並び、アニメ「魔女の宅急便」のモデルにもなったという「リベイラ地区」、高さ76mの「クレリゴスの塔」などを観光しよう、と妄想はここまで。

 さて、今回実際に訪れたのは、神奈川県鎌倉市大船にある「メルカド」。現地語で市場という意味のこの店は、駅近くの大船市場の隣にある小さなレストラン。

 ポルトガル料理の特徴はオリーブ油、ニンニク、パセリやコリアンダーなどを使うこと。大西洋で採れたタラ、イワシ、タコやイカなどの魚介類もよく食べられている。
 ヨーロッパで米を一番消費している国で、日本の天ぷらや南蛮漬けなどのルーツになった料理があることでも知られている。

 メルカドで注文したのはポルトガル人のソウルフードという「バカリャウのコロッケ」。バカリャウは塩漬けにした干しダラのことで、調理によっては365日違うレシピが出せるという食材。
 もう一つは北部ポルトの名物「タコのリゾット」。タコの出汁が染みた米も美味しく、好みで乗せれるパクチーがアクセントにもなっていた。

 料理の他に飲み物を頼む必要があったので、メニューで気になった微発砲の緑のワインという「ヴィーニョ」をチョイス。緑色のワインかと思いきや、出てきたのは微炭酸の普通の白ワイン。

 後に調べたところ、このワインの正式名称はヴィーニョ・ヴェルデ。ポルトガル語で直訳すると「緑のワイン」という意味で、最近は世界中のワイン通から注目を浴びてるという。

 店内ではトサカのある鶏の置物やポストカードなども目に付いた。これは「ガロ」という幸運を呼ぶ鳥でポルトガルのシンボル。
 「ガロ」はバルセロスが伝説発祥地で、サッカーのワールドカップでマスコットにもなった経緯も持つ。日本だと「八咫烏」がそれに近い存在だろうか。

[この日の写真]



 

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