モーリタニア(43国目) 2019年2月16日


 セネガルのサン・ルイ島からモーリタニア国境のロッソまではシェアタクシーで4時間。国境の手前では小舟で川を渡るのだが、ここは悪名高い場所のようだ。
 渡し船のおやじが料金を吹っかけてきたり、国境の係員が賄賂要求してきたり、両替商がギャングでごまかされたりと、何かと試練が待ち構えてるという。

 それはともかく、セネガルのダカールで取得したビザでモーリタニアに入国したら、バスに5時間乗って首都のヌアクショットへ移動。

 国土の90%が砂漠のモーリタニアは、かつてフランス領で今は共和制国家。正式な国名にイスラム共和国が付いてるだけに、国民のほとんどはイスラム教徒で、非イスラム教徒はほぼ外国人だという。

 通貨はウギアで、物価はそれ程は安くはないようだ。治安面は国境を除けばそう悪くはない。そもそも赤道直下で灼熱地獄の土地なので、町でも人はあまり出歩かないのだろう。

 「世界で一番ショボイ首都」というレッテルがあるヌアクショットだが、ここでは地元民が集まる中央市場の「マルシェ・キャピタル」や、カラフルな木造漁船が並ぶ「友好の港」などを散策。
 2本の尖塔がある「サウジ・モスク」や、モザイクの塔が印象的な「モロッコ・モスク」は、イスラム教徒以外は中には入れないので、外観だけを楽しむとしよう。

 ヌアクショットからはミニバスでアタールへと5時間半。そこからミニバスで2時間のシンゲッティには「「ウアダン、シンゲッティ、ティシット、ウアラタの古いクスール」」という世界遺産がある。
 ここは1000年前に建設された伝統的な集落で、中世にキャラバンが立ち寄った交易地。また地元ではイスラームの第七の聖地として巡礼の対象にもなっている。

 シンゲッティを観光したらアタールへ戻り、ミニバスに2時間乗ってでシュムへ。そこからヌアジブまではバックパッカーの間で有名な鉄鉱石を運ぶ、通称「アイアントレイン」を利用。
 そのモーリタニア鉄道はヌアジブからズエラット間を走る、全長約2,5キロで200もの車両が連なる世界最長の鉄道。

 最後尾に客車が2台付いてるが、鉄鉱石を降ろした後の空の貨物車にはタダで乗る事が出来る。ヌアジブまでは12時間の移動なので、その間に砂漠の景色や満点の星空を楽しむとしよう、と妄想はここまで。

 さて、今回実際に訪れたのは、東京都中野区中野にある「カルタゴ」。ここはアラブ・トルコ等の料理をメインに提供するレストラン。
 モーリタニアはシンプルな料理が多いのが特徴で、「メショウイ」という子羊の丸焼きや、なつめやしの実、クスクス、スパイスの効いた魚と野菜を乗せた飯、乾燥肉などが代表的なもの。

 都内近郊にモーリタニア料理店はなかったので、北アフリカでよく食べられている「クスクス」を求めてこの店を訪れた。これは小麦粉から作る粒状の粉食で米にも似た食べ物だが、パスタの一種で最小のパスタ。
 クスクスは発祥地の北アフリカから中東、その後に伝わったフランスなどのヨーロッパ、またブラジルなど世界の広い地域で食べられている。

 注文したのは「仔羊のクスクス」。食感は米に似ていてもちもちしてるが、そのままでは味はない。だが、スープやピリ辛のソースをかけ、乗っているラム肉や野菜などと一緒に食べるとこれが美味い。
 サラダに合した料理もあるこのクスクスは、栄養が豊富で美容やダイエットの効果もあり、ヘルシーフードとしても人気のようだ。

[この日の写真]



 

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