郊外へツーリング (メングウィ) 2007年4月19日〜23日


 のどかな田園地帯が広がるメングウィにあるタマン・アユン寺院と、バリを代表する「被写体」としても有名なタナロット寺院へは、クタ・ビーチからレンタルバイクで訪れた。

 ツアーだと余計な場所に連れて行かれるし、思うように行動できない。自分でバイクを運転すれば、好きな場所で好きな時に止まることが出来る。ひとつ気掛かりな事を上げるとすれば、無免許で運転していることだ。

 レンタル屋の兄ちゃんに聞いたタマン・アユンへのアクセスは、「とりあえずひたすら真っ直ぐ行けばいい。迷ったら人に聞け」という簡単なもの。多分一本道で行けるのだろうと、細かい事はきにせずに出発した。

 タマン・アユンがあるメングウィまで道標を頼りに向かったが、途中で何度も迷い、その度に人に尋ねた。こういう時ば別に英語が通じなくても、目的地を告げてどっちの方角かと聞けば大概は分かる。
 それに、腕時計に付けているコンパスも役立つ。そんな理由もあり、それ程迷うこともなくタマン・アユンへ到着出来た。

 かつてこの地で栄えたメングウィ王国の国寺として1634年に建設されたこのタマン・アユンは、バリで2番目に大きな寺院。5重の塔ならぬ、11重の塔にもなる塔が何本も立っていたタマン・アユンは、どこか和風な趣もある寺院だった。

 そこから棚田で有名な近郊の町ダバナンへ向かうと、タマン・アユンの近くにあった別の寺に多くの人が集っていた。皆同じ衣装を着てるので雰囲気は祭りのようだが、飾り付けられた布が白黒の縞模様なので葬式にも思える。

 物珍しそうに覗いている観光客の私に気付いたのだろう、一人のおじさんが声を掛けてきた。話してみるとおじさんは日本語がペラペラ。職業はホテルマンで日本人観光客に接する機会が多くあるので、必要だからと独学で覚えたというが、そのレベルはかなり高いものだった。

 おじさんに色々と話を聞いてみると、今見ているのはオダランという寺の創立記念祭であることが分かった。祭りは210日周期で行われるという。バリには何万もの寺院があるので、毎日どこかでこのオダランが行われているようだ。

 他に面白かった話が、クタ・ビーチなどで悪さをしているのは、決まってジャワ島からやって来るジャワ人たちだという事。ジャワもバリも同じ国なのだが、宗教の違いから何かと問題があるようだ。

 降り出していた雨も上がったのでダバナンを目指した。メングウィからも近いのですぐ着いたが、目的である棚田が全然見当たらない。
 棚田だからある程度の傾斜地にあるのだろうが、それらしき傾斜地も見つからない。いくら探しても見つからないので、諦めてタナロット寺院を目指した。

 バリ6大寺院の1つでもあるタナロット寺院は、海の中に浮かぶ小島に建っており、干潮時には陸続きとなり歩いて渡ることができる。夕暮れ時には美しいシルエットを形成して幻想的な空間を演出するので、サンセットの時間帯は観光客に人気が高い。

 海辺の寺院に訪れると、可愛い4人組の女が写真撮影をしていた。一般人とは違うオーラを放ち、訪れている観光客の目を引いていたので土産屋の店員に聞いてみると、彼女たちはインドネシアのアイドルだった。

 天気が悪かったのでそれ程の夕陽を眺める事は出来なかったが、夕暮れ時にシュルエットとして浮かび上がるタナロット寺院の景色は、たしかに神秘的で美しかった。エキゾチックな顔立ちのアイドルたちも、魅力的で同様に美しかった。




Copyright (C) 2019 諸行無常 All Rights Reserved