バイロン・ベイはオーストラリアで最も東に位置する町。最初に住み着いたのはサーフィンを楽しむサーファーたちで、次にヒッピーや芸術家が多く住みついたという。
現在は観光客も増え、バックパッカーにとっても見逃せない観光スポットであり、セレブたちが集う高級リゾート地にもなっているという。楽園の噂を聞いて、誰もがここに集まってくるのだろう。
レンタルした自転車に乗り、大陸最東端に位置するケープ・バイロン灯台までサイクリングした。灯台からは遊歩道があり、その先に大陸最東端を示す看板があった。景色も最高で、真っ白な灯台と真っ青な海のコントラストは圧巻。
最東端のポイントからは景色岬へと降りて行けた。季節によってはザトウクジラやバンドウイルカ、海ガメ、マンタなどがここで見られるという。
私が見たのは、体長50cmくらいのオオトカゲが芝生の上で日向ぼっこをする姿だけだった。
町には開放的で洒落たカフェやレストラン、アーティスティックな工芸品を売る店も多くあった。サーフィンやリゾート地といった面の他にバイロン・ベイが持つもう一つの顔は「癒しの町」。アロマやマッサージなどヒーリング系のサービスが充実している店も多い。
メイン・ビーチでくつろいでいると山車を引いた集団がやって来た。近くに行って見てみると、山車の中にはピンク色の袈裟を着た坊主頭の像が座っており、その二階部分にはだるまのような神様が3体置かれていた。
この時はこれは仏教関係の祭りだと思っていたが、最近になって気が付いたのは、そのだるまのような神様はインドのプリーで見たものと良く似ているということ。
あそこは確か山車を引く祭りでも有名だった。おそらく、それに関係したヒンドゥー教の一団だったのだろう。
この祭りも興味よりも目が離せなかったのは、水着の上を脱いで平然と寝ている西洋人の若い女。男にとっちゃありがたい光景だ。
訪れることはなかったが、オーストラリアにはヌーディスト・ビーチが多くあり、このバイロン・ベイにもいくつかあった。リゾート地で開放的になり、本来の自然な姿に戻ることで心身共に癒されるのだろう。
日が暮れた町のあちこちからは音楽が聞こえてきた。大きなオープン・レストランで生バンドが演奏していたり、路上でも様々なパフォーマーいて、デジュリドゥを吹いたり、ジャンベを叩くなどしていた。
バイロン・ベイ駅はパブが隣接しており、長テーブルが広がっている大衆酒場といった雰囲気。ここも夜にはバンドの生演奏ステージがあり、大勢の客で賑わっていた。
隣の空き地でもステージのようなものが組まれ、出演者が順番に演奏や踊りなどを発表するパフォーマンスも行われていた。
至る所から音楽が溢れ、奏でる者も聞く者も、日が暮れてから一日が終わるまでの時間を個々に楽しんでいた。音楽好きの私としてはいつまでいても飽きず、ここに住みたいと思ったくらいだ。
オーストラリア最東端のバイロン・ベイは、ヒッピーからセレブ、アーティストからヌーディストまで、誰もが満喫出来る美しい楽園だった。