情報をサーチング


 親戚の結婚式に参加するため、九州の福岡に行くことになった。神奈川から福岡まで足を運ぶのに、式だけ出席してとんぼ帰りするのではつまらない。そこで、この機会を利用して鹿児島の屋久島まで足を伸ばすことにした。

 屋久島と言えば有名なのは樹齢数千年の縄文杉。これを拝みに行くのが今回の目的のひとつだ。縄文杉を見るには1日がかりのトレッキングが必要。それだけは頭の片隅に記憶として蓄積されていたが、あとはまったく何も知らない。
 そこで、まずは情報が必要だと、ネットで屋久島をサーチングして旅をプランニングしていった。

 屋久島へのアクセスは鹿児島本港南埠頭からのフェリー。2つある船会社の一つは高速船トッピーで1日5便運行。料金はやや高いが島まで2時間30分という速さ。
 もう一つはフェリー屋久島2。こちらの料金はトッピーの半額と安いが、運行は1日1便だけで所要は4時間。鹿児島空港から南埠頭まではノンストップバスがある。20,30分間隔の運行で所要は約45分。

 私は昼に鹿児島空港に到着時間するので、朝1便のフェリー屋久島2は利用できない。なので、行きはトッピーで帰りはフェリー屋久島2を使うことにした。

 宿泊はテントなので場所はいくらでもあるだろうと思ったが、屋久島はキャンプ場以外ではキャンプ禁止。やはり世界自然遺産の島ともなるとこの辺はシビアだ。
 フェリーが到着するのは島の北部にある宮之浦港。その周辺でキャンプ場を探してみると、海楽園という民宿にキャンプ場が併設していた。港から歩いても30分で料金も安い。迷うことなくここを利用することにした。

 食事は自炊するのでストーブのガスが必要だが、飛行機にはこれが持ち込めない。屋久島でガスが買えるかを調べると、都合よく宮之浦港の近くにナカガワスポーツというキャンプ用品店があった。
 電話して問い合わせると2社のガスを置いていた。私が持っている物とは別のブランドだったが、大抵使用は同じなので使えないことはない。これで自炊の問題も解決だ。

 アクセスと寝場所が決まれば次はトレッキング情報。縄文杉を日帰りで見るには往復10時間。定番は荒川登山口からスタートで、トロッコ道を延々歩いていくもの。
 もう一つの日帰り可能なルートは白谷雲水峡からのスタート。このコースは途中で荒川口のコースと合流する。道中には太鼓岩なるでかい岩や、もののけ姫のモデルとなった苔の森など見所が多い。当然選ぶならこちらのルートだ。

 だが問題があった。白谷雲水峡は宮之浦から車で30分と近いのだが、始発のバスが遅く到着が朝8時。おまけに帰りの最終バスも16時と早いので時間的に間に合わない。レンタカーで登山口まで来れば問題はないが、公共の足では無理なのだ。

 荒川口スタートは始発のバスを乗り継いで朝6時に到着できるし、最終のバスも17時なので間に合う。だが単調なトロッコ道を進むだけじゃつまらない。
 途中で白谷雲水峡のルートに入り、太鼓岩やもののけ姫の森だけ見に行く手もあるが、そうすると時間的に間に合わくなる。それらを見るには山中で一泊する必要。

 だが、重い荷物を背負って山を歩くのは嫌なので山中泊は却下。初日は荒川口から往復して縄文杉を見て下山し、2日目に白谷雲水峡だけを往復というプランも考えたが、2度も山を登り降りするのは面倒。そこで試行錯誤してベストのプランを捻り出した。

 それは、タクシーでキャンプ場から白谷雲水峡へ行くという手だ。料金は掛かるがこれなら朝5時に登山を開始出来る。帰りは荒川口へ下山すれば最終のバスにも間に合う。こうすれば見たいものが一日で全て見れる。これで決定だ。

 屋久島一周は約100kmとそれ程広くない。宮之浦港近くにはレンタルサイクルもあるので、こいつで島を一周する予定も立てた。
 初日の到着は夕方なのでまずは一泊。2日目に縄文杉トレッキング、3日目はチャリで島を一周、4日目の昼にフェリー屋久島2で離島。こうして出来たプランで屋久島へと足を踏み入れた。


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