序章


 旅行や冒険まがいが好きで国内のあちこちに足を運んだが、未だ行ったことのない県が2つだけある。それは青森県と秋田県。寒さが苦手なためもあって、2つの県にはなかなか寄り付かずにいた。

 だが今年のGWはなんと9連休。このチャンスを逃せばいつまでも行く気にはならないし、未踏の2県を踏破すれば一応日本全国に行ったことになる。そこでようやく重い腰を上げることにした。

 私が暮らすのは神奈川県なので、青森まで一気に行くのは遠すぎるしつまらない。そこで東北地方と一般的に定義される、福島、宮城、岩手、青森、秋田、山形の6県を巡りながら旅することにした。

 最大の目的地は青森の恐山と本州最北端の大間崎。他の県は何があるのかよく知らないので、ネットで各県の観光地をくまなくチェック。
 移動手段は車中泊使用にしてる愛車のエブリィワゴン。目的地から次の目的地まで距離があると疲れるので、1時間位の移動で寄れるポイントをピックアップし、大まかなルートを決定。

 プランを考えたのは出発の2日前。昔から愛用してるツーリングマップルの東北版も前夜に購入。この地図があればさらなる観光ポイントが知れるので、後はその時の気分次第でルートは変更。

 唯一の心配は痔を抱えてること。なので座りっぱなしの長時間運転は、痛みを増長させる自殺行為。だが「みちのくくるま旅」と命名した今回の東北旅。
 もじった曲の歌詞のように、「たとえどんなに痛んでいても、たとえどんなに薬が欲しくても〜」と我慢し、「ここで一緒に死ねたらいいと〜」と、尻と心中する覚悟で楽しむだけだ。


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