アイテムを入手 (愛媛) 2002年


 中山池自然公園を出発した後、20kmほど走り43番明石寺へ。次の44番大宝寺までは、ここから90km離れていた。
 44番大宝寺へ向かう途中で、ずっと探していたキャンプ用品店を発見。そこでストーブというアイテムを手に入れた。これは折りたたみが出来る小さなコンロで、別売りのガスを取り付けて使用するもの。近くにはホームセンターもあったので、そこで鍋も購入した。

 大宝寺までは国道56号線をひたすら北上。途中に古い町並みを残すという内子町があったので、そこを散策して行った。
 ここはかつて木蝋と和紙の製造で栄えた町。白壁で昔ながらの作りの家が並ぶ通りはまるで時代劇の世界にでも入ったようで、古き良き日本を思わせる所だった。

 大正5年に建設された内子座という歌舞伎劇場あったので、料金を払って中を見学した。2階席もある劇場で舞台の下には地下通路があり、そこには人力で舞台を回す仕掛けなどがあった。この内子座では現在でも歌舞伎が行われてるという。

 内子町から国道380号線に入ると次第に山道に。湧き水が出てる所があったので、さっき購入したストーブでお湯を沸かし、その場でインスタントラーメンを食べた。
 公園などでの水浴びに続き、これからは食事も自炊。だんだんお遍路とはかけ離れ、ホームレスにでもなっているようだった。

 大宝寺までの道のりはさすがに長かった。途中で自転車を押しながら、2時間ほど山道を上がらなければならない場所もあった。
 大宝寺には夕方到着。近くに米屋があったので米を計り売りしてもらい、その近くの商店でふりかけを購入。これで今夜は食料をわざわざ買いにいかなくて済む。

 まだ体力があったので、もうひと踏ん張りして45番岩屋寺まで足を伸ばした。岩屋寺の本堂までは、266段の急な勾配の石段があった。細く急な参道は杉木に覆われており、苔むした地蔵や墓標が並んでいた。

 この寺には弘法大師が掘った穴禅定という洞窟もあり、洞窟は20mほど奥まで進むことが出来た。洞窟内の明かりは壁に掛かった蝋燭だけでほとんど暗闇。
 誰もいない暗闇の洞窟を進んでいくのは、肝試しのようだった。地蔵が置かれていた一番奥だけは、何本もの蝋燭が点されて明るかった。

 45番岩屋寺からさらに自転車を走らせ、久万川沿いにあった卸三戸遊園地キャンプ場を今夜の宿に。このキャンプ場は無料だった。
 久しぶりに鍋を使用して米を炊き、ふりかけを振っただけのごはんで夕食を済ませた。米だけでは栄養が足りないので、明日はどこかでおかずを買っていこうと考えた。




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