日本最後の清流 (高知) 2002年


 キャンプした城山公園を出発し、6km程の登り坂が続く七子峠を超えて、まずは37番岩本寺を参拝した。
 次に向かう38番金剛福寺は、四国の最南端に位置する足摺岬にあり、ここから100kmは離れている。おそらく遍路の道中で、一番距離がある部分だろう。

 このまま向かおうと考えていたが、西へ走れば日本最後の清流と呼ばれる四万十川がある。岬に向かう途中でもそれは渡るが、どうせなら山間に流れる上流を眺めたい。
 何も先を急ぐ理由はないので、ここらで寄り道して休憩をしようと、寺は後回しにして上流の十和村を目指すことにした。

 四万十川の上流部は期待通りに美しく、周辺の景色も壮大。予定を変更してここに来たのは大正解だった。
 川沿いには線路があり、一両だけで走る列車の姿もあった。あの車窓から眺める景色も、きっと素晴らしいものだろう。

 四万十川上流で目指していたのは、持っていたツーリング・マップルという地図にお勧めのキャンプ場と書かれていた、四万十川最大の中州にある三島キャンプ場。
 テントサイトの料金は200円で、バンガローも4棟あった。この料金でこの自然が満喫できるのは破格の値段だ。

 キャンプ場から自転車で土佐昭和駅の方へ行けば商店もあったので、飲食物も確保できた。昼には落ち着いてのんびりとし、景色を眺めながら今日までの疲れを癒した。
 大規模なダムが建設されていないことから「日本最後の清流」と呼ばれる四万十川。人間が自然に手を加えなければ、日本にもこういった川が幾つも残っていただろう。




Copyright (C) 2019 諸行無常 All Rights Reserved