和歌山編 2017年12月29日


 1週間の正月休みを利用して、西国三十三所の寺巡りへ出ることにした。移動に利用するのは愛車のエブリィワゴン。車中泊できるので宿探しの手間はいらないし、冬は寒さも凌げるのでちょうどいい。

 過去に自転車で四国八十八ヶ所、原付バイクで九州八十八ヶ所、単車で坂東三十三観音を巡ったことがある。その時は順番通りではなく、巡りやすい効率を重視して独自のルートを考えた。今回の西国三十三所は順番通りでも問題ないので、まずは1番の寺がある和歌山県へと向かった。

 新東名の岡崎PAで1泊した後、伊勢湾道、東名阪、伊勢道、紀勢道を経て三重県の尾鷲へ。ここから国道42号線を南下して那智勝浦まで走り、スタート地点である一番札所青岸渡寺へ到着。

 三重の塔と那智の滝が印象的な青岸渡寺は、ユネスコの世界遺産にも登録されている。参道の土産屋には100年の歴史がある「那智黒」という黒あめが売られていた。それ以外で目に付いたのは、小学生の頃に持っていた「家紋キーホルダー」。
 昔は観光地の土産屋でこのキーホルダーや、都道府県の形をしたキーホルダー、ペナントなどをよく見かけたものだ。欲しくなったので買おうとしたが、生憎我が家の家紋は売り切れだった。

 西国三十三所の巡礼道は約1000km。次の2番紀三井寺は同じ和歌山県内なのだが、なんとここから200kmも離れてる。私は似非遍路で車移動だから問題ないが、正式の遍路だったら歩きで5日はかかるだろう。西国は初っ端から過酷すぎる。
 車でも距離があるので、ただ走るだけではやる気がなくなる。そこでいくつかの観光ポイントに立ち寄っていくことにした。

 まず訪れたのは日本の捕鯨発祥の地と言われる、大地町のくじら博物館。そこで鯨について勉強しようかと思ったが、授業料(入館料)が1500円と高かったので入る気が失せた。
 代わりに近くにあった道の駅たいじに寄り、「炙りくじら」というスモーク風味に仕上げられた海産珍味をゲット。花より団子である。

 その後、国道42号線を南下して串本の橋杭岩へ。海岸線から海に向かって大小40余りの岩柱がそそり立つ橋杭岩は、地殻変動や浸食といった自然の力で形成されたもの。弘法大師が一晩で造ったという伝説があるようだが、それはちょっと言いすぎだ。

 さらに南下して本州最南端の潮岬へ。観光タワーの前には芝生が広がり、海とのコントラストが印象的。キャンプ場もあるようだが、冬の寒い時期ではする気も起きない。おまけに風が強く寒かったので、足早に立ち去った。

 その後、国道42号線で北上し紀勢道に乗って南紀白浜へワープし、高さ60mある自然景勝地の三段壁へ。上からの景色は壮観だったが、エレベーターで降りた洞窟の方はイマイチ。
 近くには日本最古の湯と言われる「崎の湯」があったので、一風呂浴びることに。岩場にある露天風呂の目の前は海で、波しぶきが届くほどの距離。なかなかワイルドな風呂だった。

 今日の内にもう一つ寺を巡っとこうと、阪和道で海南まで一気に移動して2番紀三井寺へ。山門をくぐって待っていたのが結縁厄除坂という231段の急な石段。ここを元陸上選手で日本記録保持者が、21,9秒で登った最速記録があるようだ。
 途中にあった名水百選の紀三井寺三井水という湧水は、紀州で3つの井戸のある寺で紀三井寺という、寺名の由来に関係してる湧水だった。

 ここで寺巡りは終了して今夜の宿探し。地図を見ると次に行く3番の寺の近くに道の駅紀の川万葉の里を発見。国道24号線で東に向かい、途中のスーパーで食料を調達して万葉の里で車中泊。
 33カ所ある寺のうち、今日巡れたのはたった2つ。1週間の休みの間に果たして全部回りきれるだろうか。

[この日の写真]


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