魅力は尽きない 2012年7月7日

所要:5時間 距離:16km

 5:25 旧三合目石室跡
 5:35 五合目駐車場
 5:50 宝永第二火口縁
 5:55 山体観測装置
 6:10 御殿庭上
 6:30 御殿庭入口
 6:50 小天狗塚
 7:00 三辻


 7:15 四辻
 7:30 二ツ塚分岐
 7:50 大石茶屋
 8:20 御殿場口新五合目
 9:20 馬返し上
 9:30 馬返し
10:30 青少年交流の家バス停




 昨晩は雨風が激しかったが、朝にはまた止んでいた。3日間とも雨に降られたのは夜の間だけ。これもまたツイていた。ただ強い風だけは残っていた。
 今日はもう下山するだけなのだが、富士宮口の五合目から富士宮行きのバスは11時半。4時半には起きたので、そのバスはとても待ってられない。どうせ時間があるのだからと、このまま歩いて下山することにした。

 ただ、同じ村山古道を下りるのはつまらないので、スカイラインを歩いて行こうと、旧三合目石室跡下の富士山休養自然歩道を右に進み、五合目の駐車場に行ってみた。
 すると、そこにルートの看板があり、この遊歩道の詳しい情報が分かった。これを歩けば2時間で御殿場口新五合目まで行くことが出来る。そっちならもう少し早いバスがあるかもしれない。私は神奈川県に帰るので、御殿場駅に出たほうが何かと都合もいい。

 そこで、この富士山休養自然歩道で御殿場口へと下山することにした。アスファルトのスカイラインを歩くよりも、こっちの方が疲れない。
 昨日六合目の小屋で、おばちゃんにこの遊歩道を事を聞いたが、宝永山に行くだけだとしか言ってなかった。御殿場まで行けるこんな道があるじゃないか。山小屋で働いてるのに知らなかったのだろうか。

 たまたま見つけたこの自然歩道は予想外のものだった。最初は殺風景な宝永山の脇を歩いて行くのだが、その先から風景や色がバラエティになり、まるで地球じゃない惑星を歩いてるような雰囲気になった。こんなルートがあったとは。やはり富士山の魅力はまだまだ深い。

 風の通り道なのだろうか、頂上から強い風が何度も吹いてきたが、Tシャツと短パンでも寒くはない。御殿場口まではずっと下りなので歩くのも楽。別に頂上に登らずとも、眺めながらここだけを歩くのもかなり面白いと思う。

 二つ塚という双子の山を過ぎると、そこから御殿場ルートと平行しながらの下りになった。道は砂場のようになったので走りながら下り、一気に五合目上の大石茶屋に到着。
 そこでバスの時間を聞いてみると、御殿場駅行きは9時45分発で2時間待ち。駅までの距離を聞いてみると、おそらく15kmくらいとのこと。なら3時間ちょっとで歩けるので、バスは使わずに新五合目から歩くことにした。

 下って行く県道23号線の両側には、まだ木々があるので登山道がありそうだが、ここらは陸上自衛隊の東富士演習場の敷地で立ち入りが禁止。演習場はやたらに広く、この先10kmは続いていた。
 こんなに敷地があるのだから、御殿場口の新五合目からの下山道くらい作ってもいいんじゃないか。あれじゃ無駄に広いだけだ。

 道には8月の初めに富士登山駅伝競走大会があるので、交通規制があるとの看板がいくつかあった。その出場者たちで練習してるのか、こんな坂道をマラソンしてる連中が多くいた。途中にあった馬返し上は、その登山駅伝の中継点のようだ。

 県道はひたすら下りで景色も変わらないので、1時間も歩くと飽きてくる。しかも、アスファルトなので疲れる。今日で4日目ともあり、さすがに足の裏も痺れてきた。
 御殿場口の新五合目から2時間歩いてようやく建物が出現。そこは青少年交流の家という施設でバス停もあった。時刻表を見ると10分後にバスが来る。歩いたら御殿場駅まではあと1時間位だが、もう面倒なのでここで下山は終了し、バスに乗って駅へと戻った。

 当初ゴールに予定していたのは、吉田口の麓にある0合目の浅間神社。そこは後で調べると標高860m。今回終了した青少年交流の家バス停の標高は750m。まあ似たような高さまで歩いて下山したので結果オーライだ。

 富士山に登ったのはこれで3度目になる。1度目は一般的に富士宮口の五合目から登り、頂上の山小屋に宿泊してご来光を見た。2度目は0合目の浅間神社から頂上までを往復。そして3度目の今回は、海抜0mから最古の村山古道を歩いて制覇。これで富士山は満足したので、もう登ることはないだろう。

 登山を終えて2日後にこの文章を書きながら、御殿場口の大石茶屋で貰った富士登山マップを眺めていた。すると、西側に登山道が無いことに気が付いた。
 調べてみると、西側は大沢崩れという大規模な侵食谷になっており、現在も崩壊が進行してるとのこと。しかし、その大沢崩れの右岸や左岸には、バリエーション・ルートというものがあり、執杖流しという登山ルートもあった。それらを進んでピークの剣ヶ峰まで行くことも可能なようだ。

 ただし、落石が多くて足場も悪く危険なので、上級者向けの道であるようだが、調べてみると、結構そのルートで剣ヶ峰まで行った人がいる。
 もう登ることはないと思っていた富士山だが、そんなルートを知ってしまったので、もう一度登る気が沸いてきた。次に富士山に登る時はこのルートで挑戦するしかない。日本の象徴である富士山。この山の魅力は、そう簡単には尽きないようだ。


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