ドイツのフランクフルトからスイスのチューリッヒまではバスで6時間半。山岳地帯に覆われたスイスは連邦共和制国家で永世中立国。
これは自ら戦争を始めず、他国間の戦争にも参加せず、中立を守ることを確立している国。スイスの他にオーストリア、トルクメニスタン、ラオスなども同様。
その半面、国を守るのは自国民だけなので、スイスには徴兵制があり、有事の際には6時間以内に30万〜40万の兵力を動員できる態勢が整っているという。
公用語はドイツ、フランス、イタリア、ロマンシュ語の4つ。宗教はカトリックやプロテスタントのキリスト教が主だが、最近は減少傾向にあるようで、無宗教の永住者が4分の1を占める。
EUに加盟してないので、通貨はユーロでなくスイスフラン。ユーロ払いが可能な店もあるが釣りはフランになる。
中立国で平和なイメージだが、物価が世界一高いとも称される。それは人件費や家賃、食品や農産物の関税が高いのと、不安定なEUの経済情勢が原因にあるようだ。
日本の長寿漫画「ゴルゴ13」では、主人公のデューク東郷が仕事の報酬をスイス銀行に振り込ます。その理由はスイスの銀行法で定められた顧客情報の秘匿義務。
警察からの依頼であろうと犯罪性の高いものでない限り、顧客情報を漏らさないことがスイスのプライベートバンクのこだわりだからだ。
それはともかくチューリッヒでは、市内を一望できる「リンデンホフの丘」、ヨーロッパらしい旧市街の「アルトシュタット」、スイスならではの「バイヤー時計博物館」などを観光。
チューリッヒからは列車で1時間のサルガンスへ。ここからバスで30分走れば、隣国リヒテンシュタインがあるので日帰りで訪れる。
サルガンスからはローカル列車で2駅10分のマイエンフェルトへ。ここはアニメ「アルプスの少女ハイジ」の舞台となったハイジランドと呼ばれる村。
アルプスの山々に囲まれた村にはハイジの家が再現され、アニメの世界そのままの景色が広がる。童心に戻ってハイキングをしながら、のんびりとした時間を楽しもう、と妄想はここまで。
さて、今回実際に訪れたのは、東京都文京区湯島にある「湯島天神横ラクレットグリル」。ここはスイスの伝統的なチーズ料理やワインを味わえるレストラン。
4つの言語を持つスイスは基本的にチーズやワイン、それぞれの国の影響を受けた素材などが多く使われる。
料理はチーズフォンデュが有名だが、ここではラクレットチーズのランチセットを注文。「ラクレット」は専用のチーズを特別な道具で温めてトロトロにし、茹でたジャガイモにかけて食べる料理。
チーズは日本、フランス、スイスの3ヶ国から選べたので、もちろんスイスをチョイス。それは「スーペルべ」という定番で人気のもの。
ジャガイモに加えピクルスにもチーズ絡めて食べるのがスイス風のようで、これがまた意外と合う。
店員が開封されてないラクレットを見せてくれたが、直径30センチ位でデカくて重く、さすがはチーズ大国のものだと感心。
もう一皿は、焼きソーセージの「ブラートヴルスト」、ハッシュドポテトの「レシュティ」、チーズソースのパスタ「アルペンマカロニ」が乗ったもの。
どれもスイスの国民的料理で美味しく、気分はハイジがブランコに乗って揺られているようだった。
[この日の写真]