1日目 福井(前編) 2017年5月3日


 GWに入る前日の夕方に神奈川県から東名高速に乗り、5時間程走って岐阜県の養老SAで早速に車中泊。寝床をささっとこしらえ、お手製のサンシェードを全ての窓に貼って快適な密室空間を作った。

 夜の内に移動したのは、渋滞を避ける為と高速代の節約。ETCだと朝4時までに乗ると割引になるが、夜のうちに乗っといて翌日の昼間に下りてもその割引は効くのだ。

 養老インターで高速を下りて向かったのは、揖斐川町にある天空の茶畑。ここは以前ラジオで、日本のマチュピチュと紹介されていたのを聞き訪れてみたかった場所。
 小さな駐車場から山中の展望ポイントまで徒歩約20分。そこから見る斜面の茶畑は、確かにマチュピチュとも思える景色だった。

 岐阜県での目的地はここだけだったので、養老インターまで戻って名神高速に乗る。米原から北陸道へ上がり福井県に入って敦賀インターまで移動。そこで高速を下りて、敦賀市内の日本海さかな街へ。

 敦賀湾直送の魚介が並ぶこの場所は、70もの様々な店が集まる日本海側最大級の市場。特大ズワイガニや羽二重餅などが目を引き、海鮮丼のメニューが豊富な食事処の写真も鮮やかだった。

 近くの気比の松原にも足を運んでみた。ここは、三保の松原(静岡県)、虹の松原(佐賀県)と並ぶ、日本三大松原の一つ。特に何があるわけではなかったが、白砂青松でのどかなビーチだった。

 続いて行ったのは、地元で「けひさん」と呼ばれる古社の気比神宮。佐渡ヶ島から漂着したムロで建立したと言われる大鳥居は、日本三大木造作り鳥居の一つ。だが、その鳥居は修理中で工事ネットが掛かり、まったくその良さが分からなかった。

 福井県にはソースカツ丼というB級グルメがあったので、これを食べようと国道8号線で鯖江市に行く途中で「ながと」という店に立ち寄った。
 ご飯の上に乗ったカツのボリューム感はあったが、タレがかかりすぎで味が濃くイマイチ。やはり、カツ丼は卵とじの普通のものに限る。

 その後、「日本一堅いパン」を売るヨーロッパンキムラヤへ。軍隊堅麺麭という名前のそのパンは、元はこの店の初代が鯖江の軍隊のために製造していたもの。
 非常食の乾パンのような形をしており、食べてみると本当に硬い、というか堅すぎる。やはり、パンは柔らかくて焼き立てのものに限る。

 鯖江市は「メガネの聖地」としても有名で、眼鏡フレームの国内生産は90%以上のシェアを持ち、めがねミュージアムもあった。だがそこへは行かず、もう一つ有名な「越前漆器」が見れるうるしの里会館へ。
 ちょうど「越前漆器まつり」が催されており、漆塗りの食器が安く販売。特設ステージも設けられ、そこでは地元出身の戸田弓子という歌手が民謡を歌っていた。

 こういう偶然のタイミングで、その地の雰囲気をさらに味わえるのが旅の醍醐味でもある。せっかくなので越前漆器を一つ買っていこうと、200円で売られていた漆塗りの湯飲みを購入した。(後編に続く)

[この日の写真]




Copyright (C) 2019 諸行無常 All Rights Reserved