アソコも冷える (キンタマーニ) 2007年4月23日〜27日


 ウブドでバイクを3万5千ルピアでレンタルし、近郊にあるブサキ寺院とバトゥール山へ行った。最初はべモ(ローカルのミニバス)を利用して行こうと考えていたのだが、地元の奴の話だとべモで行くのは無理だというのでバイクで行った。
 地元の連中も皆、車やバイクを持っているので、最近ではべモを利用する人も少なくなっているという。

 ブサキ寺院は大小30あまりの寺院によって構成されている複合寺院で、アグン山の中腹の標高およそ900mのところに建立されている。バリ・ヒンドゥー教の総本山として崇められるこのブサキ寺院へは、ウブドからバイクで1時間だった。

 どこの観光地でもそうだが、ここブサキ寺院にもガイドと称してしつこく寄ってくる連中が何人もいた。おまけに参道や寺院の中には野良犬も多い。大抵の犬は大人しいのだが、たまに唸りながら近寄ってくる犬もいた。

 ブサキ寺院からバトゥール山まで行く時に、天気が急変して土砂降りの雨になった。ずっと上り坂で標高がどんどん上がっていくため、さらに気温が下がってくる。
 何回か雨宿りをしながら走ったのだが、すぶ濡れになったので、バトゥール山の周辺に着く頃には体が冷え切って震える程だった。

 バトゥール山周辺には、通行料として5千ルピア払う通行所があった。無免許で運転してるので、警察のような人間がいる通行所を通るのには緊張した。
 しばらくバイクで走っていると、後ろに同じようなバイクが走っているのに気が付いた。このバイクの運転者が後ろから大声で何やら叫んでる。

 バイクのエンジンがうるさいので何を言っているのか最初は分からなかったが、集中してよく聞いてみると、どっから来たんだ、これを買わないか、などと言ってるではないか。後ろのバイクの運転手はどうやら土産売りのようだった。
 こちらも大声で必要ないと何度も断っていると、そのうち追いかけてこなくなった。バイクで走りながらまで物を売るあの商売根性には驚いた。

 クブペネロカン村に着いた頃には、雨も上がり霧も晴れてきた。周辺の景色も見られるようになり、気温も少し上昇。バトゥール山周辺はキンタマーニという名称で知られている。
 巨大なクレーターを持つバトゥールの外輪山を眺められる見晴台からは、バトゥール湖やバトゥール山、アバン山などの大パノラマの景色が見渡せる。1917年と1926年に大噴火を起こしたバトゥールの山肌には、黒々とした溶岩流の痕跡が残っていた。

 バトゥール湖の対岸にはトルニャンという村がある。ここはバリで唯一風葬が行われている所。ここに住む先住民族は亡くなった人を火葬せず、未婚者は土葬、既婚者は風葬といった形で葬るという。

 この村では、その白骨化した遺骨が集まる墓が見られるという。だが、村に行くには他の村からモーターボートをチャーターしなければならない。料金も10万ルピアから20万ルピアかかる。おまけに村に観光客が頻繁に訪れるようになってから、村人が法外な入場料を請求するようになったらしく、様々なトラブルが起きているとの事だった。

 村に行ってみたかったのだが、何も骸骨を見るためだけにそこまでの金とリスクを抱える必要はない。何よりも早くウブドまで下山して、冷え切った体を温めたかったので、トルニャンに行くのはやめて帰ることにした。
 ウブドの宿に戻ってホットシャワーを浴びた時は、キンタマーニで冷えた金玉も温まって回復。無免許で警察に捕まってたら、アソコはさらに縮んでいただろう。




Copyright (C) 2019 諸行無常 All Rights Reserved