2日目 前編 2018年9月23日


 34ヵ所ある寺の内、昨日で既に23ヶ所を巡ったので残りは11ヶ所。30番から最後の34番までは車で巡るので、自転車ではあと6ヵ所。
 5時に起床したので、ここ道の駅ちちぶで買っておいた名物の「岩魚寿し」を胃に詰め込み、6時には出発した。

 荒川に掛かる秩父橋を渡り24番法泉寺へ。本堂には藁納豆の入れ物のような大きな竹細工が2つぶら下がっていた。「一休み 一休み 一休さん」と木札がある石像もあった。
 子供の頃アニメで見た一休さんは、室町時代に実在した臨済宗の僧。とんちが得意なキャラだったが、寝起き直後の私は、まだ頭が回転してないので休まず進む。

 25番久昌寺を打った後は、回りやすさを考えて逆打ちにし29番長泉院へ。枯山水の庭や石に達磨の絵が描かれたものが印象的だった。
 訪れた多くの寺の本堂には千社札が貼られていた。これは神社や仏閣に参拝を行った記念として貼る物で、自分の名前や住所を書き込んだ札のこと。

 手の届く所なら簡単にだが、屋根付近の壁とか天井には一体どうやって貼るのだろうか。調べたところ高い所には専用の刷毛と竿を使うようだ。過去に何百ヵ所も神仏を訪れてるが、そのシーンには未だ遭遇したことがない。

 28番橋立堂へ向かう途中には浦山ダムがあった。重力式コンクリートダムとしては日本で2番目の高さを誇るという。無料で内部も見学出来るようだったが、8時前でまだやってないだろうと外観だけ眺めて進む。
 橋立堂は切り立った崖の下にあり、その横は鍾乳洞の入口。ここは石灰岩が溶かされて出来た洞窟だが、見たくても朝が早いので営業してなかった。

 本堂脇には黄色くなった巨石の上に、上半身だけのおっさんの石像が乗っていた。髪もオールバックで坊さんには見えず、説明もなかったのでこのおっさんが何者かは知る術もない。
 向かいにはJURIN’s GEOというカフェ。看板には「世界最高峰 カップオブエクセレンス 受賞コーヒー」と書かれていた。飲みたかったがこちらも営業前なので断念。

 27番大渕寺の山頂には、高さ15mの白い護国大観音が立っていた。昭和10年に建立されたこの観音の手には、時代を反映して蓮華でなく剣を持っている。
 「延命水」という湧き水もあった。飲むと三十三日長生きできる水たったが、便意に襲われた上、寺なのに便所に「紙」がいなかったので、飲まずに足早に立ち去った。

 26番圓融寺は寺よりも墓地の面積が広く、墓参りにでも来てる気分だった。6つの寺を2時間ほどで巡って道の駅ちちぶに帰還。8時過ぎには車に乗り換えて30番へ向かった。

[この日の写真]




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