丹沢山、塔ノ岳 (距離:16Km) 2013年1月31日


7:15 塩水橋
7:55 ショートカット入口
9:00 東屋
9:35 堂平登山口
10:30 天王山尾根
11:30 丹沢山
12:45 日高

[ この登山の軌跡 ]

13:10 塔ノ岳
13:50 木ノ又小屋
14:00 新大日
14:35 長尾尾根分岐
15:45 キュウハ沢分岐
16:30 本谷橋
17:00 塩水橋





 今年は雪山を味わってみたいと思っていたところ、1月半ばに関東で久々の大雪。その為に近場の丹沢にもかなりの雪が積もった。これは雪山の練習に絶好のチャンス。早速、4本爪アイゼンを購入し、雪が解ける前に丹沢へと繰り出すことにした。

 歩きたいのはバリエーション・ルートだが、初めての雪山でそれは早すぎる。そこで、まだ歩いたことのない一般ルートを選び、塩水橋から丹沢山に登り、塔の岳を経て長尾尾根で周回することに。これなら、丹沢山と塔ノ岳で富士山の景色も存分に堪能出来る。

 塩水橋へは宮ヶ瀬から向かったが、路面の凍結もなかったので普通タイヤで問題なく到着。塩水橋には数台分の駐車スペースがあったので、そこに車を停めて林道を歩いて堂平登山口へ向かった。

 しばらく進むと林道も雪道に変わったが、まだアイゼンを付けるほどでもなかった。途中にあった工事現場の近くには、自転車が停めてあった。多分これはその関係者が置いていったもので、まさか自転車で山に登りに来た者じゃないだろう。

 堂平登山口へは林道を進んでも行けるが、途中でショートカット出来るポイントがあった。それは、川が二股に分かれる3度目のS字カーブのところ。そこを右に入って橋を渡った辺りから雪も深くなったのでアイゼンを装着。

 ここで塩水橋で見たおじさんに会った。彼もショートカットするためにこちらへ進んでいたが、先はトレースなどの踏み後もなく、柵もあるので戻ろうかと逡巡していた。
 ここから北西へ登れば堂平登山口に出れるはずと伝えたが、おじさんは川の出合を探してるらしく、とにかく行ってみますと柵を越えた先で川を渡り進んでいった。

 私は堂平登山口を目指してるので、柵は超えずに手前から西へ向うと、その先はトレースも足跡もなく傾斜がキツくなった。苦労することは明確だったが、これこそ雪山の練習にもってこいだと、半ば楽しみながらラッセルして進んでいった。

 雪に足を踏み入れると、深いところで膝まで入った。おまけに傾斜もあるので、四つん這いになったり、木の幹などを支えにして進む。1時間格闘して林道に出ると小さな東屋があった。

 林道はまだ上へと延びていたが足跡がない。唯一あった足跡は向かいへ進んでいて、その先の木々の間に運搬用のモノレールが見えた。おそらく登山口は下だろうと林道を少し下ると、なんとすぐそこが登山口というぴったりの場所に登ってきていた。

 ラッセルを味わえたのは面白かったが、靴に砂や小石が入るのを防ぐショートスパッツを履いてなったので、かなり雪が靴に入り足が冷たくなってしまった。今後を考えてこのアイテムは買わなければならない。

 冬用の登山服もスキーウェアも持ってないので、着用してたのは防寒着。寒くはないが、インナーは普通のTシャツと長袖だったので汗でびっしょり。夏なら服装は大して問題ないが、冬山に関してはこれも次回は考える必要がある。

 堂平登山口からはトレースがばっちり。ここからはその上を黙々と歩き、天王山尾根に合流して丹沢山へ到着。空気も澄んで天気も良く、富士山と南アルプスの景色が見事だった。
 昼飯にラーメンを作り、水筒に熱い紅茶を補給。これを雪を溶かして作ろうと考えてたが、時間が掛かるだろうと、持参した水でさっさと済ませた。

 飯を食い終えた時に、ショートカット入口で会ったおじさんが到着した。話を聞くと、やはりあのまま川沿いを遡上したらしく、堂平登山口より3キロも東に出て時間をロスッたという。沢を探していたので、てっきり違うルートを行ってるのかと思っていたが、どうやら単に方向を間違えたようだ。

 丹沢山からは来た道を少し戻り、天王山尾根で本谷橋へと下れば早く帰れる。だが、時間的にぎりぎり日没に間に合いそうだったので、当初の計画通り丹沢山から塔ノ岳を経て新大日に向かい、長尾尾根で本谷橋へと下って塩水橋へと周回した。

 塔ノ岳から新大日までは雪が解けてる部分もあったが、アイゼンを脱ぐのも面倒なので履いたまま進む。長尾尾根は広くて歩きやすい尾根だが、雪がまだ深く残っていた。
 ここはトレースじゃなく足跡があったので、そこに足を踏み入れて辿りながら黙々と進んでいった。

 キュウハ沢の分岐からもまだまだ雪は残っていた。この辺りからはトラバース気味に進むルートだったので、雪道だがハイキング気分。本谷川が見えた所から一気にジグザグ下降して本谷橋へ到着。

 ここでアイゼンを脱いで林道を歩いて塩水橋へ戻る。林道にもまだ雪が残り、ところどころアイスバーンになっていたが、慎重に歩いたので問題なかった。一ヶ所落石で道が塞がれてる所があったが、そこも難なく乗り越えて進めた。

 今回は初の雪山を経験し、また違う楽しさを覚えた。雪の上を歩いてる時のあの「ザクッ、ザクッ」という音も心地良い。登山中はアイゼンが効いていたのか、一度も転ぶことはなかった。

 山にはまだまだ雪が残っていたので、まだ何回かはこの楽しさを味わえるだろう。だが、踏み固められたトレースの上を歩くだけじゃ面白くない。多分バリエーション・ルートなら、まだあまり人が足を踏み入れてないだろう。次回は一つステップアップしてそれに挑みたいところだ。




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