0合目から富士山登頂 (距離:36.6km) 2010年8月5日〜7日


1日目
10:00 浅間神社
13:15 一合目
13:45 二合目
14:50 昼寝
15:10 三合目
15:30 四合目
17:00 五合目 佐藤小屋





[ この登山の軌跡 ]

2日目
5:00 五合目
5:30 六合目
6:40 七合目
7:40 八合目
9:30 九合目
10:00 頂上
13:00 下山
16:30 五合目 佐藤小屋

3日目
5:00 五合目
7:45 中の茶屋
8:30 浅間神社


1日目 浅間神社〜五合目 佐藤小屋 (所要:7時間 距離:12Km)

 富士山には一度登った事がある。それは、一般的な富士宮口の五合目からで、頂上の小屋に宿泊し、御来光を拝んで下山というものだ。
 だが「富士山に登った」というのは、やはり0合目から登ってこそのもの。いつかはそれを成したいと考えていた。

 そんな折に、オーストラリア人の友人が日本へやって来た。この友人はその時一緒に富士山に登った内の一人。
 久しぶりの来日なので、どこかへ観光案内するよと申し出ると、富士山にもう一度登りたいと言う。ならば0合目からやろうじゃないかと、その友人を連れて富士山へ向かった。

 富士山登頂は早朝から始めたいので、前の晩は山中湖の湖畔でキャンプすることにした。ついでに運動不足の体を慣らそうと、山中湖へ行く前に箱根の駒ケ岳をトレッキング。駒ケ岳からはこれから登る富士山の眺めが良かった。

 友人とは久々の再会だったので、山中湖のキャンプでは話も盛り上がり、土産にと持ってきてくれたアルコール度の強いラム酒をコーラ割でがぶ飲み。翌朝は2人とも完璧な二日酔いで、起きると既に9時になっていた。
 急いで山中湖からスタート地点の浅間神社へ車で移動し、まだ酔ったままの酷い状態で、0合目からの富士山登頂を始めた。

 富士山の五合目以上はキャンプが禁止なので、今夜は五合目でキャンプの予定。なのでバッグパックにはキャンプ道具一式が入ってる。重さは20kgにはなるだろう。ただでさえ重いのだから、二日酔いの体には倍の重さに感じた。

 二合目の御室浅間神社に着く頃に、天気が崩れて小雨が振り出した。雨宿りに神社の中で横になると、そのまま仮眠していた。
 1時間後に目覚めると、体も天気もやや回復。再び登山を開始し、夕方に佐藤小屋がある五合目に到着した。

 キャンプ地を探さなければならないが、ちょうどよく小屋が管理するキャンプ・スペースがあったのでそこを利用。1泊500円というリーズナブルな料金で、タンクに貯まった雨水も煮沸して使用する事が出来た。

 このスペース以外は、五合目にはキャンプする場所はなさそうだった。もし、金を使いたくなければ、4合目辺りで空き地を探すしかないだろう。だが、中の茶屋から五合目まで水場は一切なかった。

 汗を掻いて酒が抜けた体に、再びアルコールを注入。翌日は御来光を見に行くわけじゃないので、今夜はゆっくり出来るが、さすがに明日も二日酔いでは辛いので、今夜はほどほどにして早く眠りに就いた。


2日目 五合目〜頂上〜五合目 (所要:11時間半 距離:11.6Km)

 佐藤小屋のキャンプ・スペースにテントなどを残したまま、必要な荷物だけの軽装で出発。昨日0合目からの登山客はまったくいなかったが、小屋には数十名の客が宿泊していた。ここまでは車で来れるので、ここからスタートする人も多いのだろう。

 吉田口のルートは六合目から河口湖口のルートと合流する。そちらの方がメジャーなのか、その辺りから登山客の姿が増えだした。
 昨日と比べると荷物はかなり軽いので体は楽だが、標高が上がるにつれて空気が薄くなり頭が痛くなる。前回に登った時も高山病になった。頂上の小屋に泊まった時など、頭が割れるようで眠れなかった。

 気分の悪さに耐えながら登こと5時間。ようやく頂上に到着。天気も良く雲海も綺麗だったが、感動は高山病の影響で半減。とっとと下山したいという心境だった。
 お鉢巡りをして昼飯を済ませ後に下山を開始。登りとは違う下山道を進む。砂利っぽい箇所が多いので、滑るように降りていくことが多かった。

 富士山には女人禁制の時代もあり、江戸時代には「富士講」という富士山信仰の団体が広まった。信者は富士山への登拝だけでなく、巡礼や修行も行っていたという。
 現在も古の教えを継承してる者もいるようだ。その関連者なのか、六合目の合流地点まで下ると、笠帽子に水色の装束を着た団体がいた。

 佐藤小屋に戻ったのは夕方。無理すればそのまま0合目まで下山できたが、ゆっくりしようと、もう1泊キャンプしていった。
 昨日に引き続きの登山だったので、さすがに体が疲れてる。高度のせいで胃の消化も悪くなり、気分もすぐれない。こういう時は早く寝るに限る。


3日目 五合目〜浅間神社 (所要:3時間半 距離:12Km)

 荷物をまとめて早朝に下山開始。バッグは重いが、もう下るだけなので気分的には軽い。快調に浅間神社まで下山して、0合目からの富士山登頂を終えた。
 登山に掛かった時間の合計は、登りが10時間、下りが7時間。2泊3日の日程になったが、これくらいが丁度良かったと思う。

 終始点である浅間神社は、富士信仰に基づいて富士山を神格化した、浅間大神などを祀る神社。日本各地にある浅間神社は、富士山麓を始めとして、その山容が眺められる地に所在するという。その総本宮はここではなく、富士山南麓にある富士山本宮浅間大社のようだ。

 0合目からの登頂を果たし、「富士山に登ったことがある」と言えるようになったが、富士講のような信仰が芽生えたわけではない。それよりも食物繊維が不足している体は、「ふじっこのおまめさん」や「御新香」の栄養分を求めていた。


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