ボスニア・ヘルツェゴビナ(59国目)


 クロアチアのザグレブからボスニア・ヘルツェゴビナ首都サラエボまではバスで8時間半。ボスニア(以下省略)はスルプスカ共和国の二つの構成体からなる連邦国家。
 ユーゴスラビアからの独立後は、独立の可否や国のあり方をめぐって民族間で内戦が勃発。現在はそれも落ち着き、2016年にはEUにも加盟している。

 3つの民族で構成されるボスニアの宗教は、ボシュニャク人はイスラム教、クロアチア人はローマ・カトリック、セルビア人は東方正教会と異なる。
 ユーゴ解体後の内戦の悪化は、この違いが大きな要因でもあるのだろう。通貨は兌換マルクだが、観光地ではユーロが使える店もある。物価はクロアチアと比べると安い。

 首都サラエボは、第一次世界大戦のきっかけともなった「サラエボ事件」が起きた地。これはオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子夫婦が、セルビア人の青年に銃で暗殺された事件。
 当時オーストリア領だったボスニアのこの地を視察中に起こったので、サラエボ事件と呼ばれている。

 そんなサラエボではランドマークの「大聖堂」、地元民が集う「フェルハディヤ通り」「バシチャルシァ広場」、紛争について知れる「歴史博物館」「トンネル博物館」などを観光。

 サラエボからは再びクロアチアのドブロブニクへバスで5時間の移動。「アドリア海の真珠」とも言われる世界遺産のに美しいい旧市街は、ジブリ映画「紅の豚」のモデルになった場所。

 そんなドブロブニクでは、一周できる「旧市街の城壁」、スルジ山の山頂から街並みを一望できる「ドブロブニク・ケーブルカー」、
 観光客で賑わう「プラツァ通り」、古くから天然水が湧き出る「オノフリオの大噴水」などを観光、と妄想はここまで。

 さて、今回ボスニア料理を食べようとしたが、東京近郊にレストランがなかったので断念。ボスニア料理はトルコの影響が強いムスリム食で、こってりとした味付けのものが多く、乳製品や肉がメイン。

 代表的なものは、薄くパリパリしたパイ皮に肉やホウレン草、チーズが入った「ブレク」、トマト味のシチュー「ボサンスキ・ロナッツ」、玉ねぎの挽肉詰め「ソガンドルマ」、棒状のハンバーグ「チェバブチチ」など。

 そのチェバブチチは、東京都新宿区神楽坂にある「NODO」という店で提供していたが、料金が少々高いので行く足を踏み留めた。
 それよりも、トルコやバルカン半島一体で食べられている「ブレク」の、ヨーグルトをかけたサラエボ風をいつか食べてみたい。



 

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